禁断の花を見る
ちょっと変わった植物を見てみたいのなら、東京都薬用植物園をおススメします。
今の時期、入口に咲き乱れているのはカモミール。珍しい花ではありませんが、これだけ群生しているとその香りも圧倒的。ハーブティーとかエッセンシャルオイルの香りがそのまま漂ってきます。
深大寺まで見に行った「ナンジャモンジャの木」もここにありました。薬用というか、いろいろ使える植物が植えられている場所なのですが、これも「有用植物」だったとは知りませんでした。
特に興味深いのは「有毒植物」のコーナー。トリカブトなどの有名な有毒植物はもちろんですが、「これにも毒があるの?」とビックリするようなものもあります。園芸店で普通に売られている植物だって、もし食べたりすれば……。何かのネタ(何のだ?)にお困りのかたにはお役に立ちそうですね。
温室もあって、数日前にアップした青いケシもここに咲いています。あとはたしか、カカオがなっていたかな。
しかしこの時期の最大の注目といえば「ケシ」の花であります。一般人が栽培すれば逮捕されてしまうアレです。この植物園でも、ふだんは二重の鉄格子の向こうに植えられているのですが、この季節だけは外側の檻だけを開放してくれるので、鉄格子ナシの写真が撮れるのです(5月25日まで。平日だけだったかも)。
実際に見るまでは「園芸種のケシとどこが違うんだろう」と思っていたのですが、その違いは一目瞭然でした。昭和記念公園のポピーとは全然違います。こんなのを庭に植えていたら、たぶん一発でわかってしまうでしょうね。
高さは1メートルくらいもあって、毛のはえた茎や鮮やかな色の大きな花は圧倒的な迫力。つぼみをつけた茎は生き物のようにうねっていて、有機的な印象を与えます。花の後の、いわゆる「ケシ坊主」も園芸種とはまったく違う大きさなので、花が終わった後もぜひ見てほしいところ。鉄格子に囲まれて咲いているせいか、禁断の植物というイメージが助長されてちょっとものものしい感じがします。
とはいえ、私にとっては「薬になる植物」という印象が強いかな。父のターミナルな時期には、モルヒネは欠かせない薬でしたから。5月にこの植物園でケシを見るたびに、少し恐ろしく、悲しく、そして何となく慕わしいような不思議な気持ちになったりもするのです。
5月12日
走行距離:30.59km
走行時間:1時間50分
平均時速:16.5km/h
最高時速:37.7km/h(誤作動中)
積算距離:9715.9km
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コメント
私は、東京都薬用植物園を愛する者です。
先日、東京都は薬用植物園を存続させる必要が無いとして、
廃止を含めて抜本的に見直すべきであるとの報告を出しました。
(詳しくはこちらをご覧下さい。↓)
http://www.chijihon.metro.tokyo.jp/hyokahp/h17/03hyouka.pdf
ご存知のとおり、東京都薬用植物園は駅前の一等地にあります。
いろいろな理由をつけていますが、廃止して売却するつもりでしょうか?
いくら資金難でも安易な方法で凌ぐのではなく、他に見直すべきことがあると思います。
みんなで都民の貴重な財産を守りましょう。
廃止反対にご賛同の方はこちら↓にメールをお願いします。
chijihonbu_hyouka@section.metro.tokyo.jp
投稿: 薬用植物園ファン | 2006/01/22 16:21
貴重な情報をお寄せくださってありがとうございます。
薬用植物園ファンのひとりとしては存続を望みたいところです。
投稿: つぴぃ | 2006/01/22 20:07