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2005/05/30

映画「ベルンの奇蹟」

「ベルンの奇蹟」を見てきた。

1954年のワールドカップでの西ドイツの初優勝を背景に、父と子の和解が描かれる……というあらすじだけは知っていたので、ドイツ映画だし単館ロードショー向けの小品なんだろうな、と思っていたのだが、これが大間違い。クライマックスのW杯決勝のシーンは大作映画なみの迫力だった。それもそのはず、当時のスタジアムは取り壊されてしまったため、撮影用にイチから作ってしまったというお金のかけよう。試合映像も、TV中継ではありえないカメラアングルを多用した臨場感あるもの。ドイツでは大ヒットしたそうだが当然だろう。

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この作品で特筆すべきは、主要スタッフ&キャストがすべてサッカー経験者だということ。監督(脚本と製作も)は元プロ選手だし、父親役もユースのチームでの経験があり(ボロボロのボールをリフティングするシーンが印象的)、ドイツ代表役の選手もやっぱり元選手。だからこそサッカーのシーンにはまったく違和感が感じられないのだ。話題になった「少林サッカー」はサッカー的にはデタラメで、そのせいでどうしても好きになれなかったのだが(面白かったけどね)、この映画は違う。ブンデスリーガは見てないし、ドイツ代表を応援したこともないけれど、この映画は好きだしDVDが出たら買うと思う。

映画が始まる前には、有名選手たちが総出演したアディダスのCMが流れる(大画面で見られるのはちょっとうれしい)。映画自体にもアディダスが協力しているし、本編中でもアディ・ダスラーが新スパイクを売り込みにくる場面がある。CMくさい!と思うけれど、スパイク誕生秘話はやっぱり面白い(秘話でも何でもないけど)。エンドタイトルでは2006年W杯のマークも出てくる。「2006年もこの時みたいに優勝しよう!」というメッセージが込められているような気がするし、これを見たドイツ人は全員そう思うだろう。

1954年といえば、第二次大戦が終わってまもない時期。敗戦国の西ドイツがW杯で優勝するというのは、国民に本当に大きな勇気と希望を与えたのだろうと思う。しかし当時のドイツ代表にはバイエルン・ミュンヘンの選手はいなかったのかな? そのあたりのクラブごとの勢力図なんかもかいまみえて、興味深かった。

映画冒頭の場面が好きだ。子供たちが伝書鳩を待っている。鳩がもってきた情報は、地元チームの試合結果。「また負けた……」と意気消沈する主人公の少年。海外の試合であってもリアルタイムで結果を知ることができる現在とは比較にならない時代の話であることが、冒頭のシーンで印象付けられる。W杯の試合だって個人の家ではラジオで聞くだけで、TVが置いてあるバーは満員になっている。メディアがあってもなくても、応援する気持ちは変わらない。そんなあたりまえのことを改めて感じてしまった。

ソ連の収容所帰りの父と少年の和解に至る過程もよかった。W杯に刺激されて2人でサッカーをして仲良くなりました、みたいな単純なものじゃないところがいい。嘘がない映画、という感じがした。

日比谷のシャンテ・シネにて上映中……と思ったら今週でおしまいなのか……。

さて、次は北朝鮮代表を扱った「奇蹟のイレブン」を見に行こうかな。しかし何でどれも「奇蹟」という言葉がつくんだろう。ま、奇蹟の多いスポーツであることは確かだけれど、あんまり押し売りされると感動が冷めちゃうような。

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