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2007/02/21

「勇気凛々」

久しぶりにビジネス小説を読んでしまった。高杉良の「勇気凛々」である。

普段なら絶対手に取らないタイプの本なのだが、なぜ読む気になったかといえば「自転車本」だからだ。昨年秋、「自転車で痩せた人」の講演会を聴講するために行った八重洲ブックセンターの「自転車フェア」コーナーで見つけたもの。自転車本はまめにチェックをしているのだが、それまでは存在すら知らなかった。自転車業界(厳密には違う。流通の話だから)を舞台にしたビジネス小説なんてものもあったんだね。

「ビジネス小説」ではあるが、企業はほとんど実名で登場する。実在の企業「ホダカ株式会社」の創業者の成功物語だ。

実をいうと、これを読むまで「ホダカ」という会社は知らなかった。「マルキン自転車」というブランドも初めて知った。ここの自転車は、イトーヨーカドーなどで売られているらしい。町の自転車屋で初めてママチャリを買い、その後もやはり町の自転車屋でスポーツ自転車を購入している私には、もしかしたら一生縁のない自転車かもしれない。ママチャリ界も広いのだな、と妙に感心してしまった。

主人公である創業者・武田光司は、もとは「文華放送」の優秀な営業マンだった。一念発起して独立、会社を立ち上げるが、もともと自転車が好きで扱い始めたというわけではない。縁があって、台湾の自転車(GIANTではない)を輸入することになったのが発端だ。だが、後発の会社が既存の自転車販売ルートに食い込めるわけがない。そこで彼がもちまえの営業力で開拓したのが、イトーヨーカドーを中心としたスーパー・百貨店ルートだったというわけだ。

最初は「自転車販売で成功した社長の一代記」として読んでいたのだが、そのうち読み方が変わってきた。これは、日本にママチャリという自転車が浸透していくまでの物語でもあるのだ。

ちなみに、前身の「ホダカ物産株式会社」の創業が昭和47年。道路交通法が改正されて、自転車の歩道走行が許可されるようになったのが1970年だから昭和45年。この本の記述によれば、「昭和50年代半ばまで、自転車は(スーパー新店舗)開店の目玉商品・人気商品だった」とのこと。こうして、町にはママチャリがあふれ、放置自転車も増え、歩道を我が物顔に走るようになっていくわけだ……。

日本の自転車史の一部を知る上で、とても興味深かった一冊。小説としては立身出世もので目新しいところは何もないけれど(あまりに典型的すぎて実話とは思えないくらいだし、途中でイトーヨーカドー創業者の自伝の引用が延々と続くのは、小説としてはどうかと思う)。それにしても、こんなジャンルに自転車ものが隠れているとは知らなかった。私もまだまだ本屋めぐりが足りませんわ~。そのうち、イトーヨーカドーの自転車売場もチェックしてみよう。



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コメント

こんにちは。現在私が持ってる2台の自転車のうち1台が、イトーヨーカドーで買った18段変速クロスバイク(店頭処分特価 \19,800)だったりします(^^; 店頭POPに「アルミフレームで軽量13.5Kg!!」とか書いてありましたね(^^;; ハブ、チェーン、変速機などの駆動系がSHIMANO製ですが、チェーンホイールギヤ板のインナー2枚がカシメ止めになってます(^^;;;
これがホダカの自転車か判りませんが(ヨコタだった気もする)、フレームには7005チューブの台湾製とのシールが貼ってあります。鉄パーツがあちこち錆びてますが、特にトラブルも無くよく走る自転車ですよ(^^)

投稿: mal | 2007/02/22 13:49

ホダカはたしか一昨年のサイクルショーで折り畳み自転車をだしていて、なかなかよかったような気がします。あと、何か景品をもらったような記憶もかすかに……あまりにむかしのことなので、もうほとんど覚えていないのですが。(^^;

投稿: おぢ | 2007/02/22 14:04

malさん、コメントありがとうございます!

各種自転車を所有したことで、いろいろ知識も得たような気がしていたのですが、まったく勉強不足だったことを思い知りました。日本にはいろいろな自転車メーカーがあったのですね。これから勉強します~!

投稿: つぴぃ | 2007/02/23 02:18

おぢさま、コメントありがとうございます!

一昨年って、そんなに昔ぢゃない気が……(笑)。それはともかくとして、今回初めてホダカのサイトも見たのですが、なかなかこだわりのある自転車作りをしているようですね。今までまったく知らずに申し訳なかった!と思ってしまうくらいでした。

投稿: つぴぃ | 2007/02/23 02:19

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