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2007/06/27

クリス・ベノワが……

クリス・ベノワが死んでしまった。

詳細がしだいにわかってくるにつれて、「偉大なレスラーの突然の死」は「妻と幼い息子を殺した男が自殺」へとトーンを変えてしまった。まだ信じられないし、混乱している。

最初に訃報を知ったときは、「プロレスラーによくある突然死」だと思っていた。ところが記事をよく見れば、奥さんと7歳の息子さんまで死体で発見されたという。殺人事件なのか、事故なのか。日本では「無理心中」は珍しくないけれど、キリスト教徒が多い欧米ではそんなことはありえないと思っていた(そもそも「心中」をひとことで表現する英語はないみたいだし)。

実際に姿を見たことがあるのはWWEの日本公演のときだけだけれど、誠実な人柄や真面目な仕事ぶりはいろいろな記事から知ることができた。体格的には決して恵まれていなくて、少し前のWWEだったら王者にはなれなかったかもしれないが、努力と根性で王者にのぼりつめ、レッスルマニア20でもタイトルを獲った。その光景は、本当に感動的だったのだ。

本人が死んでしまった以上、真相は永遠にわかることはないけれど、こんな結末を迎えるまでにはどんな苦しみや葛藤があったことだろう。家族を殺すという罪は許されるものではないが、同時にレスラーとしての栄光もすべて失われてしまったことはやりきれない。

スポナビに掲載されたタジリのコメントがすべてかもしれない。
「あんなにいい人がこういう形で人生の結末を迎えるのが恐ろしいです」

WWEの薄いファンだった私でさえこれだけショックを受けるのだから、同僚のレスラーたちの衝撃はいかばかりだろう。今や、おおやけにお悔やみを言える雰囲気でさえなく、所属している団体では彼の存在すらなかったことにされつつあるのに、それでも過酷なスケジュールをこなしていかなくてはならないのだから。

訃報の第一報を受けて、現地放送のRAWは急遽、追悼番組を放送したそうだ。だが、事件の詳細がわかるに至って、「すべての追悼を取り消した」とのこと(WWE.com)。この番組が日本で放送されることはないのかもしれない。Superstars名鑑からもベノワの名前は消えてしまったし、レッスルマニア20の優勝者の名前も差し替えられているらしい。すべてが悲しくてむなしい。


昨日からずっとこの事件のことが頭から離れなかったので、とりあえず書いてしまったけれど、自分でも気持ちの整理はつかない。それにしても、WWEについて書いたのは、2005年11月のエディの訃報以来。以前は私にとってWWEは極上のエンタメだったのに、今は悲しいことばかりになってしまったなあ。

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