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2007/10/31

「実況席のサッカー論」

実況席のサッカー論」は、NHKの山本浩アナと、倉敷保雄アナの対談集。

同じサッカー実況というフィールドに立ちながらも、2人の置かれている立場はかなり違う。

片や、誰でも見られるNHKで、主に現場(スタジアム)での実況席から中継することが多い山本アナ。一方の倉敷アナの場合は、Jリーグ中継以外は、ほとんどがスタジオで海外から送られてくる映像を見ながらの実況である。視聴者層ももちろん違う。NHKには「オフサイドラインはどれですか?」という電話はかかってくるが、少なくとも有料放送のスカパーではそんなことはないはずだ。受け手が変われば、おのずと実況の内容も変わってくるだろう。

だから2人の対談もかみ合いそうでかみ合わず、キャリアも長く経験豊富な山本アナの話を倉敷アナが聞くという形になっていくのも、自然な流れだろう。もちろん、日本サッカー不遇の時代からずっと現場を見続けてきた山本アナの話は十分におもしろいんだけどね。現場で実況をする際に、フィールドを見るのかモニターを見るのか、どこをポイントに見ていくのかといったあたりは、一般の観戦者にも参考になりそうだ。

個人的にいちばん興味深かったのは、日本代表や日本のサッカー文化について語り合った第三章。実況席での体験を織りまぜながらの洞察は鋭く、なるほどと思わせる。レフェリー、ホーム&アウェイの文化、そして、応援。話題は多岐にわたるが、中でもドイツW杯の結果についてのコメントには特に納得。

山本アナのジョホールバルでの名実況に「彼らは、私たちそのものです」というのがあるが(私も覚えているよ)、日本代表のサッカーが変わっていくためには、私たちそのものが変わっていかないとならないのだろう。Jリーグができてまだ14年、物心ついたころから当たり前にサッカーを見ていた世代が親になるころに、新しい動きが起こるのかもしれない。

その意味では、今は過渡期。この時期に、今の時代のサッカーを実況席から総括する本が出るのは、いいことだと思う。ヒロミ本と同じ体裁で出た(同じ出版社)全160ページほどの本なのですぐに読み終えられるしね(急いで出したのか、校閲さんがいないのか、細かい文字間違いが目につくのが残念)。

そういえば、山本・倉敷両氏とも、解説者・原博実について言及しているのがおもしろい。本当にネタになる人なんだねー。私がヒロミスタ?になったきっかけも、思い返してみればあのワールドユースアルゼンチン大会だったんだよなあ……。


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