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2008/06/09

6万3千人の静寂

土曜日は、日産スタジアムまで「+1 FOOTBALL MATCH」を見に行ってきた。

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↑スタジアムを埋め尽くした観客


ふだんなら絶対に行かないタイプのイベントなのだが、早くからチケットを購入して当日に備えていた理由はたったひとつ……ワタクシはジョゼ・モウリーニョを生で見てみたかったのです(笑)! だって、これが初来日ぢゃあ~りませんか。それに、次にいつそのご尊顔を拝めるかもわからないし。

「久々のジョゼさんはお元気そうかしらん?」などとのんきに新横浜まで出かけていったわけだが、なんというか、いろいろと考えさせられてしまった。こんなどうでもいいエキジビション・マッチに、6万3千人以上が集まってしまったからだ。

「6万枚以上のチケットが完売」ということは報道で知っていたが、タダ券が出回っていたのはこの目で見ていたし、金券屋にチケットがあるという情報も聞いていた。だから、6万枚のチケットがはけていても、実際にはそんなには来ないのではないかとタカをくくっていたのだ。

ところがところが、日産スタジアムの座席がこんなに埋まっているのを見たのは02年のW杯決勝以来。上から下まで人だらけである。正直いって、予想外。心底、ビックリした。

一方で、スタジアムの雰囲気は実に奇妙だった。片方のゴール裏には一応、旗や太鼓をもっているグループがいるのだが、あまりに人数が少なすぎて応援の声はほとんど聞こえてこない。試合中は静まり返っていて、時折り興味深いプレーがあるとどよめきと拍手がスタジアム全体から海鳴りのように聞こえてくるという感じ。

東京の試合だったら、観客数が1万人であっても、試合中に座席で携帯電話で会話をすることはほぼ不可能なのに、この日は6万人以上の群集に囲まれながらも、ラクに会話ができたと思う。こんな環境でサッカーを見たのは初めてだ。というか、これはサッカーの試合なのか? 

往年の名選手が集うチャリティマッチは、海外で開催されたものは何度もTVで見ている。日本で行なわれた親善試合も見に行ったし、エキジビション・マッチならではの雰囲気はわかっているつもりだ。でもこれはいったい何なのだろう。6万3千人もいるのに、この奇妙な静寂は何なのだ?


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↑カメラマンの数も代表戦以上


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↑キックオフ40分前、小机駅からスタジアムまで行列が続く


試合自体は、前半はかなりおもしろかった。ダービッツとセードルフは随所ですばらしいプレーを見せてくれたし、サモラーノを見られたのもうれしかった。日本選抜チームのほうは、大黒だけががむしゃらにやっていて微笑ましく、中田の一挙手一投足には歓声が上がっていた(試合内容に関しては、先日の「アマラオ・ファイナルマッチ」のほうがメンバーも豪華だったし(中田以外)、ちゃんとやっていたように思う)。

どこかうさんくさい主旨が気になるが(フツーに「チャリティマッチ」と銘打つことはできなかったのか? そのほうがよほどスッキリする)、こうした大規模なエキジビション・マッチが日本でも開催されるようになったことは喜ばしいことだ。だけど、こんな試合に6万3千人が来て、W杯3次予選にはその半分しか来ないというのはどういうことなのだろう。

チケット代がわずか3千円だったことは、理由のひとつではあるだろう。でも、それだけではないはず。来日メンバーが発表されたのは「完売報道」の後だったし、それまで正式にわかっていたビッグネームは、中田とモウリーニョだけだった。この2人だけを目当てに、6万人以上が集まったわけでもあるまい。

ここに集まった観客のうち、日常的にJの試合に足を運んでいるのはたぶん半分以下だ(何となくそんな感じがしたというだけで、根拠はないのだが)。それより、このイベントで初めてサッカーを生で見たという人は少なくないに違いない。これをきっかけに彼らがもっと「生でサッカーを見たい」と思ってくれればいいのだが、なんとなくそうはならないような予感もして……。


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↑主旨に反対するわけではないが、そこはかとなくうさんくさい


いろいろ考えているうちに後半が始まったのだが、両チームのパフォーマンスはだんだん落ちてくるし、双眼鏡でモウリーニョを見るのも飽きてきたし(笑)、6万3千人が一斉に帰る際の混雑を考えたらどんどん気が重くなり、マブタまで重くなってきた……というわけで、途中で席をたってしまい、「釜本選手」は後でビデオで確認した次第(笑)。

でもこのイベント、日テレで放送されたもののほうが、実際に見るよりもおもしろかったのではないだろうか。合間にインタビュー映像などが入って飽きないし、試合の最中にCMが入ってもまったく不都合がない程度の内容だし……。でも、個人的には本当にモウリーニョが見たかっただけなので、これで充分満足なんですよ。

とはいえ、こんなぬるいイベントに自分も金を出して見に行ってしまったのは事実なので、夜は反省の気持ちを抱きながら、W杯3次予選の「オマーンVS日本」を見たのだった。反省ついでに埼スタで行なわれるバーレーン戦のチケットも買おうかと思ったのだが、雨が降らなかったら自転車に乗りたくなってしまいそうなので保留中……。

翌日はナビスコ杯での東京ダービーだったのだけど、わが東京の応援歌に酔いしれつつ「これがなきゃサッカーじゃないよね」と再認識させられたのだった。


それにしても、14時からの試合だったのになんで自転車で日産スタまで行かなかったのか、自分でも疑問。どういうわけだか「自転車で行く」という選択がすっぽり抜け落ちていた。自転車観戦だったら、気持ちが自転車走行のほうに向くから、こんなにグダグダ文句を書くこともなかっただろうに(笑)。

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コメント

日スタは、うちから近いのに(新横浜まで車で買い物に行くとき、脇を通ります)、まだサッカー観戦したことはないんです。今度、行ってみようかなぁ。うちからだと、ふだんまったく自転車に乗ってないわたしでも、行かれそうな距離ではあるのですが……今年は雨rainが多いからなぁ……。いや、それよりまえに、わたし専用自転車がないという現実をどうにかせんと……coldsweats01

投稿: MIKA | 2008/06/10 09:14

MIKAさん、コメントありがとうございます。

日産スタジアムは鶴見川沿いを走れば着きますので、自転車初心者にはやさしいスタジアムだと思います。でも、あんまり見やすくないけど……。

ぜひぜひ変速機能のついたママチャリを買いましょう! で、ママチャリ講座を(私も参加します~)。

投稿: つぴぃ | 2008/06/10 10:50

ひぇぇぇーーーーー静寂なスタジアムでのサッカー観戦とは不思議な体験でしたねぇ

つぴぃさん、きっと多くの皆さんは「なにかできること・・・・」というボランティア的な精神でお見えになったのかもしれないなぁ
賛同した選手たちも静寂なスタジアムでちょっと驚いたかもしれないね

つぴぃさん、なにより二枚目のジョゼさんを生で見れただけよかったじゃない。
(一説によるとジョゼさんは男性のファンも多いらしいねぇ・・・・)

サッカーとは不思議なスポーツで南米やアフリカやアジアでも本場ヨーロッパでも熱に浮かされる魔法があるような気がする
普段、悪乗りしてしまう東京ゴール裏も同じことかもね

Jリーグの他所のG裏やサポーターは統制がとれている応援が多い
みなさん同じユニで皆さん同じ動きでどこかのマスゲームのような印象がある
各クラブの伝統なのか色なのかよくわからないが、見てて感心してしまう

ぶっちゃけFC東京ゴール裏は何でもありのノリノリチャントで突っ走る傾向がある
チームに勢いがある時は素晴らしいがチームがシュンとなると途端に減速してしまうケースも実のところ多い
チャントは別に練習しているわけもなく、かといって強制しているわけでもなく、いつの間にか人が集まり歌い、飛び跳ね檄を飛ばす集団になる
たいていどのチームも試合前に一通りチームへの応援をするもんだが、試合開始ギリギリに中心部が集まるものだから選手コールも全員できない場合がある(ようは授業に遅刻してしまうものなのね)
コールリーダーも毎回必ず同じ人とは限らない・・・というかその日のノリで変わるケースもある(去年はそういうケースが多かったけどね)

新しい選手コールや歌は練習もしないし、教えていないわけだからたいてい最初はうまくはいかない。
試合を重ねるごとに何となく覚えるしかない
既製曲の替え歌が多いのはそういう場合でも覚えやすいので「東京向き」なのかもしれないと思う
もしかしたら日本で一番シャイなゴール裏なのかもしれないなぁ・・・・
カンニングペーパーではないが、歌詞カードらしきものを見たことは過去にあったが(確かオクヤマさんのお店に置いてあったことがあったかなぁ)何事もノリでいくのが東京なんだろう

ようは行き当たりばったりで「統制」や「強制」や「管理」がないゴール裏が生ぬるいという指摘もあるらしいが、応援というのは個人個人の思いが伝わることが大事なような気がする
それはスタジアムにいようがTVの前だろうが、PCや雑誌だろうが、どこにいても同じ思いがあればそれはファンでもありサポーターでもあるという気がする
人それぞれのライフスタイルは自由であるべきではないかなぁ・・・・

先日の東京ダービーでもユニフォームを着た車椅子のご老人や障害者の方がいた。
歌ったり飛び跳ねたりはできないかもしれないが、僕らの応援はその人たちへの応援でもあるという気がする。
人それぞれの人生の中でたまたま同じスタジアムで同じチームを応援しているだけなのかもしれないが、応援する心というものはどこかで触れ合えるものではないかなぁ・・・・

つぴぃさんの静寂のスタジアムのお話を聞いてちょっと感じたのは、応援するクラブやチームや選手がいることは幸せなことのように思えるんだなぁ・・・・

投稿: 東京坊主 | 2008/06/10 22:02

東京坊主さん、コメントありがとうございます。

私もマスゲーム的な応援はあまり(というかまったく)好きではないので、自然発生的な歓声や拍手で充分なのではないかと思っていた時期もありました。が、今回のイベント(試合とはいえないような)を見て、それも誤りだったとわかったような気がします。今、毎晩TVで見ているユーロ2008の客席はとてもいい雰囲気ですが、それは自然にそうなっているのでもないでしょうし、もっとよく観察しておきたいものです。

で、そんなこともあって、統制がとれていない東京の応援はけっこう好きなのです。最近は味スタのゴール裏は人数が多すぎるのか、逆に声が小さく聞こえてしまうこともありますが、全員青赤で一糸乱れぬ大声援だったら東京らしく感じないかもしれません(というか、ここまでこのクラブにハマらなかったかも)。

という感じで、いろいろ考えさせられて結果的にはよかったと思います。もちろん、男前なジョゼさんもたっぷり見てきましたし(笑)。

投稿: つぴぃ | 2008/06/11 12:47

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