これが底だと思いたい
J1リーグ第18節 京都VS東京は1-1のドロー。
東京が追いついたのは、後半ロスタイム3分を過ぎた時間帯だった。
あまりに劇的な幕切れだったけれど、現地組とTV観戦組とではかなり喜びの度合いが違ったのではないかと思う。もし私が現地観戦組だったら、「よかったー!」と半分くらい勝ったような気分でスタジアムを後にしていたかもしれない。でも、離れた場所でTVというフィルターを通して見ていた限りでは、「よかったけど……」と、どこか素直になれない表情を浮かべるしかなかったのだった。
もし、前半開始直後の得点が決まっていたら!?とかいろいろ考えることはあるけれど、正直いって、京都のペースにはまって思うようなサッカーをさせてもらえなかった試合だったと思う。東京の攻撃は、意図はわかるが精度に欠けるものばかりで得点の匂いがさっぱりしない。反対に京都はシンプルな攻めで、塩田が土壇場で失点をセーブしつづける場面がつづく。
失点はセットプレーからだったが、これも集中力の欠如が招いたもの。この試合、守備陣が本当に良くなかった。あっさり抜かれたりミスをしたりと、目を覆わんばかり。守備はよくないわ、攻撃の精度はないわで、まるで去年の東京を見ているかのような錯覚にとらわれてしまったほど。
シーズン序盤はセットプレーでの得点もけっこうあって「今年の東京は違うぞ!」と思わせてくれたものだけど、ホント、どうしちゃったんだろう。すべてが暑さのせいだと片付けるわけにはいかないよね。
後半、石川と浅利に代えてエメルソンと大竹が投入され、東京は少しずつ形をつくれるようになる。前節までのエメルソンは、サイドでボールをもらうとふらふらと中に入っていって相手にパスしたりしていたが、今回はずいぶんと良くなっていた。ロスタイムの得点は、エメルソンのFKから赤嶺が押し込んだもので、久しぶりに城福采配が見事な結果を出してくれた。これだけでも収穫と思わなければ。
シュートのチャンスがあっても打たない場面が多かったのにもイライラしてしまった(後半終盤の平山とか)。CKも多かったのにまったく決まる気配がなかったし……。数少ないチャンスを決められるようにしていかなければ、勝ち点を積み重ねることはムリ。昔の面影はどこへやら(笑)、積極的にシュートを打つようになった柳沢選手を見習ってほしいものだ。
ないものねだりなのかもしれないが、この時期に的確な補強をしているチームがうらやましい。わがチームは何もしないで指をくわえているつもりなのだろうか。もちろん、闇雲に補強をしても意味がないことはわかっているのだが、今日の出来を見ていると、とてもじゃないけどこれからの暑い2ヶ月を乗り切れるとは思えないのだ。
あー、でもファンのほうがネガティブになっていてはダメだよね。土壇場で追いついたこと、負けなかったこと、あきらめなかったことを糧として、次節の勝利につなげていかなくては。順位も9位に上がったことだし。いや、よくやったと思うよ……って、我ながらちょっとウソくさいけどさ(笑)。現地組の皆さん、本当にお疲れさまでした。
◆
この試合を最後に、梶山と長友はしばらくチームを離脱。エアコンの効いた席からエラそうにピッチを見下ろしている反町の姿に(TVでは何度もクローズアップされた)、「何様だこのやろー」と思いながら見てしまった。2人が不在のチームはどのような布陣になるのだろうか。
以前はスタメンが読めないことを「好調のあかし」のように感じていたこともあったけれど、今ではどこか硬直した選手起用と采配に不安をおぼえることのほうが多くなってしまった。やっぱり「小平での競争原理」が崩れているような気もするしなあ。それを確かめるためにも小平には通いたいけれど、この暑さではちょっとムリ……。ホント、暑さには弱いんです。軟弱ですみません……。
それでも、試合後の監督インタビューを読むと、問題点をはっきりと認識していることがわかってそれだけでも救われる思い。
ところで、城福監督は自分たちのチームのことを常に「僕たち」と一人称で呼ぶのだが、それもなんとなく東京らしい言い方だと思う。サポーターは「俺たち」「俺ら」と歌うけれど、ウチらのチームはまだ「成長過程にある僕たち」って感じなんだもの。「われわれ」だとちょっと他人行儀だし、「自分たち」でもフツーすぎるし、なんかちょうどいいかなと思ったりする(と、どうでもいい話)。
そういえば、久しぶりに見た増島はずいぶんとサッカー選手らしい顔になっていた。「戻ってこないかなあ」と思った人は少なくなかったに違いない……。
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コメント
つぴぃさん、劇的な同点劇だったねぇ・・・・
むろん勝ち点1というのはまだまだなのかもしれないが、それでも諦めずにチーム一丸となって点を獲りにいったことは明日につながると思う
現地まで応援に行ったみなさんの映像が時々TVに映し出された
みんな必死にサポートしているのが伝わり、声もよく聞こえた
明大前では画面を見ながらみんな必死に最後まで祈っていた
ロスタイムでのフリーキック、固唾をのんで見守っていたらネットにボールが入って店内は狂喜乱舞のお祭り騒ぎ
まるで優勝したような喜びの顔でみんなで抱き合った
その一瞬は京都のゴール裏と一緒になったような感覚だったかもしれないなぁ
たった勝ち点1かもしれない
順位も首位戦線に躍り出たわけでもない
僕はただただ見守るしかない多くのサポーターの願いが通じたゴールが嬉しかったなぁ
サッカーの神様は実のところそんなに優しくはないんだね
「強いチームが勝つのではなく、勝ったチームが強い」というお話を聞いたことがあるが、僕らのチームが強くなるには「必ず最後は勝つ」というメンタリティが必要なのかもしれない
その一歩になるゴールのような気がするんだなぁ・・・・
次節のホーム味スタでのマリノス戦は手負いの虎との対決
連敗中のチームとの対戦はどうも相性が良くないような印象がある
五輪組がいないハンディはあるが、僕は必ず勝つと信じて応援することが結果につながると感じるんだなぁ・・・・
投稿: 東京坊主 | 2008/07/22 22:32
テレビというフィルターがあったせいか、赤嶺のゴールを素直に喜べなかった人間の一人です。
>城福監督は自分たちのチームのことを常に「僕たち」と一人称で呼ぶのだが、それもなんとなく東京らしい言い方だと思う。
全然気にしていなかったんですけど、確かに監督は「僕たち」って呼びますね。今までの監督がどうだったかは覚えてないですけど…
ちなみに、私もサッカーの話をするときは東京は『僕らの』とか『うちのチーム』とかそういう呼び方を知らず知らずのうちにしてしまいます
無意識なんですけどね
投稿: よっし~ | 2008/07/22 23:32
東京坊主さん、コメントありがとうございます。
明大前でご覧になっていたのですね。複数で見ていただけに、同点ゴールの瞬間は大変な盛り上がりだったことでしょう。私も斜に構えてないで、もっと素直に喜べたらよかったのですが……。
このフラストレーションは土曜日に解消されるものと信じておりますよ、もちろん!
投稿: つぴぃ | 2008/07/23 02:06
よっし~さん、お久しぶりのコメントをありがとうございます。
前監督の原さんは「われわれ」って言ってたような記憶があります。でも、同じ一人称でも「僕たち」のほうが「身近」な感じがするんですよね、ふしぎなことに。
私の場合は、ふだんから東京の話ができるのはダンナだけなので、チームのことはあたりまえのように「ウチ」と言ってしまいますね。外でたまに話題をふられたときは、いちいち「FC東京」とフルネームで話しています。「東京」といってもわかってくれないし、相手はたいてい「エフシー」って言いますし(笑)。
投稿: つぴぃ | 2008/07/23 02:12
ちょっと時間が経ってしまってからのコメントで申し訳ありません。
同点ゴールの現地組リポートです。
東京ゴール裏に近いバックスタンドで観戦していましたが、けっこう東京サポがいて、京都サポと入り乱れて応援という状況でした。エメと大竹が入ってからキッカーは大竹がやり、かなり可能性のあるボールを入れていたので、最後のキックも大竹かと思いきや、エメが! いやな感じがしたのですが、なんとGK水谷が跳びだして空振り、あっと思ったらその後に赤嶺くんが居るではないですか。
後に座っていたサンガサポたちからもれるため息、その後から聞こえる東京サポの歓声。
ぼくたちも、まわりのサンガサポを尻目にハイタッチ!
なんとも気持ちのいいものです。だって、何度も味スタで味わわされてきたあのいやな気持ち、知っていますからね。勝ち点や順位とは関係ない瞬間的な快感でした。
投稿: くらわば | 2008/07/26 04:04
くらわばさん、貴重な現地組レポートをありがとうございます。
このゴール、日帰り組は新幹線の時間もあって、見届けずに帰らなくてはならなかった人も多かったようですね。やっぱり現地で見たほうが喜びが大きかったんだろうなあ。そういえば、土壇場で追いつかれたり逆転されたりした経験は何度もありますが、逆はあまりなかったような……。
投稿: つぴぃ | 2008/07/26 12:05