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2008/07/23

「秋春制」を考えてみた

Jリーグを「春秋制」から「秋春制」へ移行する検討が始まったそうだ。

スポナビの記事によれば、犬養会長は
日本協会とJリーグでプロジェクトを組み、かなり進んでいる。問題はたくさんあるが、手はあると思う。解決していけばいい
と語っている。これを読む限り、「秋春制」が実現される日がないとはいえないような気がする。

冬の積雪を考えると、「秋春制」は現実的ではないとする意見がファンの間では一般的だと思うし、私もそう思う。だが、話がここまで進んでいるのだとすれば、一度現実的になってみようじゃないか……とつらつらと考えてみた。

現行のスケジュールにおいて、リーグ戦が開催されない月は「12月・1月・2月・6月」だ(もちろん日程的なズレで、これらの月に試合をすることはあるが)。本来ならば6月はシーズン中なのだが、毎年のように、W杯だ予選だアジア大会だと中断してしまう。この時期を実質的なオフシーズンと考えて、全部で4ヶ月弱の「休業期間」があればリーグが成り立つと考えてみることにする。

まず、ウィンターブレイクは不可欠だ。日本の半分は豪雪地帯なのだから。Jリーグに所属するクラブはもとより、Jをめざすクラブのことも考えなくてはならない。冬の試合に必要なスタジアムや設備、練習場などにかかる費用を考えて「J参入」という夢をあきらめざるを得なくなるクラブが出てくるようではJリーグの理念に反するはずだし、これだけは絶対に避けなくてはならない。

現実的に考えると、やはり12月~2月のうちのかなりの期間を「ウィンターブレイク」として設定せざるを得なくなりそう。でも、シーズン中に3ヶ月近く中断してしまうというのは、リーグ戦への興味をそいでしまうことになる。ちなみにドイツのウィンターブレイクは、「クリスマス~1月いっぱい」くらい。「中断」という単語から連想される期間は、やはり2ヶ月未満というところか。

1月&2月をウィンターブレイクにしたとしても、豪雪地帯のクラブの負担は膨大なものになるだろう。これをどう解消していくかはJリーグの手腕の見せどころ。一方で、観客動員についても考えなくてはならない。たとえ雪が降らない地域でも、「寒いから行かない」というフツーのお客さんは多いはずだからだ。

サッカーは、プレーする側にとっては「ウィンタースポーツ」かもしれないけれど、観戦者にとってはそうではない。雪が降ろうが槍(笑)が降ろうがスタジアムへ行くというコアな客は限られているので、一般客をいかにして増やすかを考えなくては観客動員は伸びない。

もし犬飼会長の目論見どおり2010年に「秋春制」に移行したとして、ここの読みを間違えると、たとえ「イレブンミリオンプロジェクト」(2010年までに1100万人の年間総入場者数)が達成されたとしても、ここからいきなり右肩下がりになってしまわないとも限らない。

シーズン終了は、欧州にならえば5月ということになる。で、6月からがオフシーズン。この時期は今でも開店休業状態なので、問題はないだろう。で、開幕は9月か!?といきたいところだが、せっかくの夏休みの観客動員を逃す手はないだろうと考えると、7月下旬か8月に開幕というのが現実的なところ。

「酷暑問題が解決しないじゃないか」といわれそうだが、夏休みは新規の客……特に家族連れをJリーグに呼び込める絶好のチャンスである。現行のスケジュールでも、夏休み中のナイトゲームの観客動員は好調だ。なんといってもプロスポーツは興行であって、お客さんが入ってくれないことには話にならない。

それに、6~8月を休んでしまったら、ウィンターブレイクで2ヶ月間休むのは不可能になる。欧州のシーズン開幕も8月が多い。どっちにしても最近の日本は9月までは暑いのだし、酷暑のもとでのサッカーは避けられないのだ。選手たちにはツラいだろうが、蒸し暑さに負けていてはアジアで勝ち抜くことはムリなので頑張ってもらうしかない。

……といろいろ考えてみると、「な~んだ、スケジュールは今とほぼ同じで、夏に開幕するだけのことじゃん」というようなものになってしまった。移行する年の3月~5月には、ナビスコ杯でも集中的に開催すればいい。これなら本当にありうるかも。でも、これではオフシーズンなんだか中断期間なんだかハッキリしなくてメリハリがないし、別に今のままでもいいぢゃんという気もしてくる。

ともかく、このオフシーズン(12~2月)に、犬飼会長をはじめとして「秋春制」推進派の皆さんは、豪雪地帯にある各クラブ(Jリーグはもとより、J参入をめざす地域リーグまで)を実際に訪ねて、しっかり話を聞いてきてもらいたい。本気で推進するのは、それからのことだ。

個人的には、リーグ戦よりは「天皇杯」のシステムをまず改善してもらいたいと思ってしまう。

「秋春制」になれば天皇杯の重要度も増すとは思うのだが、「一部のチームだけ遠隔地で試合、一部のチームはホームで試合」のような変則システムだけはなんとかしてもらいたい。サッカーは「ホーム/アウェイ」の差が試合に影響するスポーツだけに、一部のチームだけ有利/不利になる現状は受け入れがたいのだ。

せっかく歴史のある大会なのだから、今のようなお役所的運営はやめて、もっともっと盛り上げていけば「エンペラーズ・カップ」の名にふさわしい立派な大会になると思うのだけど。

ところで、天皇杯決勝が元日に行われるようになった理由ってご存知でした? 私は「星屑たち それからのアトランタ組物語」(川端康生・著)を読んで初めて知ったのだが、けっこう意外……というか、「なぁんだ」というものでしたよ。この本の中の記述にある、故・長沼健さんのコメント。

あれ、なんで元旦にやるようになったか知ってる? 明治神宮があるでしょ。そこにお正月になると250万人も参拝客が来る。その1パーセントでも国立競技場に来てくれれば2万5000人になる。それを狙って元旦にしたんだよ。それでも当時は入らなかったけどね」。(P.49)

こんな理由で、1968年から元日開催になったのだそーですよ。続ければそれだけ歴史になって、風物詩とか呼ばれちゃうようになるんですね……と、だいぶ話題がズレたところで、本日はここまで。



↑あれから何度目かの五輪を迎える今、読んでみてもいいかも

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コメント

関東以南のチームには影響が少ないけれど、新潟や山形は練習場所確保からして大変そうだし、地域によりかなり不公平がありそうです。

私も吹雪の中、アウェー観戦をする覚悟はないので、冬期開催は反対です。


第一、寒くてビールが飲めませんよ!!

投稿: コタツねこ | 2008/07/23 18:19

コタツねこさん、コメントありがとうございます。

寒冷地問題については、当事者の皆さんの声を実際に聞いてみないといけないと思っています。サッカーは関東だけでやってるわけじゃないですから。私もいろいろ考えてみましたが、しょせんは「東京者」の意見にすぎませんし……。

ここんとこずっと思っているんですが、冬はホットワインとかを売店で売ってくれないかなあ……。ビールは身体が冷えていけません。

投稿: つぴぃ | 2008/07/23 19:38

お邪魔致します…春秋だろうが春秋だろうがふたを開けてみると結局「開催月」は似たり寄ったりなのだというご見解、目からウロコでした。ご指摘のとおり、理不尽な要素を多々含んでいる天皇杯ですが、実は僕自身「現状維持派」だったりします。もの寂しさが漂う年末に日本の果てまで飛んで「負けたら終わり」の戦いを見守る過程がサポーター心をくすぐるんですよね。今でも“アマラオ最後の丸亀”に行けなかった事を後悔しています。今年も鳥取へのフライト、往復の機中でどのような気持ちになっているのだろうだなんて、こんな季節から想像遊びをしています…まだこれから夏本番なのに。

投稿: 練馬フレンチブル | 2008/07/23 22:45

練馬フレンチブルさん、こちらまでお越しいただきありがとうございます!

天皇杯、実は遠隔地での試合を現地で見たことがありません。以前は「天皇杯じゃ遠征しがいがない」とか思っていたものでしたが、最近はやっと意識が変わってまいりました。今年はどうなるかわかりませんが、チャンスがあれば行ってみたいと思っています。

それにしても、浦和とか千葉とか一部のチームだけホームで試合ができるというレギュレーションはどうかと思うんですけどねえ。すべてのチームが遠隔地で試合をするようになるのなら納得できるのですが。

投稿: つぴぃ | 2008/07/24 02:28

つぴぃさん、ものは考えようかもしれないねぇ・・・・

僕は東北出身なんでね、昔は冬になると雪が積もった地域にいた。
それなのにまったくウインタースポーツには縁がなくスキーやらスケートやらはまったくダメ
コタツで丸くなる人間だったのねぇ・・・・・(お恥ずかしい限りです)

もしドーム球場のようなものがあって冬にもサッカーが観れれば僕は凄く素晴らしいことだと思う。
観る方もやる方も冬場は諦めていたスポーツが人間の英知でできるのなら凄いことだよなぁ・・・・
日本サッカー協会の会長が明言するなら寒冷地でも試合ができるように方策を考えているような気がする(勝手な推測なんだが)
今までのサッカー界は試合会場であるスタジアムは地方自治体やクラブ任せ、「みなさん自助努力でやってくださいよ」という姿勢
むろん民間の営利企業なわけでそれは当然なんだがこのリーグ開催変更案をするには今までのような自助努力で推し進めるのは無理なような気がする
なにせ日本人の季節感やスポーツ習慣を抜本的に変えるわけだからね、国民的に合意して日本サッカー協会主導でやらないと無理がある
いつでもどこでもスポーツを楽しめる環境を整備するチャンスだと捉えるなら希望はあるような気がする

ぶっちゃけね、野球がシーズンオフなら観客動員も流れてくるかもしれない
夏場はナイターが多くなるが冬なら昼間の開催が多くなる
子供たちが来やすいし、なによりアウェーでの日帰りも夢ではないかもしれない
ドームスタジアムが多くなればサッカーだけではなく多目的に使用することも可能で、それこそ運営次第では大きな利益が出るような気がする
今は温暖化で寒冷地でのウィンタースポーツも経済状態は火の車
新たなるスポーツビジネスも考える時期なのかもしれないなぁ
ちなみにプロ野球が開催されない利点は大きい、スポーツ新聞やらニュースはサッカーがまずはトップになるしね
Jリーグ(トップチーム)以外のサッカーは今まで通りでもいいわけで夏場はJFLやらユースを観に行くのも楽しいかなぁ・・・・

totoの収益がこれだけ好調ならドームスタジアムの建設費用の捻出も考えてもいいんじゃないかなぁ
正直いうとtotoの収益金はサッカー界にそんなに還元されていない
こういう壮大なプロジェクトがあるのなら寒冷地でのドームスタジアムの一部負担は主張しても構わないんではないかなぁ・・・と勝手に考えてしまう

メリットデメリット双方あるが関東より北のクラブのためにドームスタジアムが建設されるのなら僕はこの案はメリットの方が大きいと思うんだなぁ・・・・

天皇杯の元旦決勝のお話もアイデアと知恵をだしたわけで前向きに検討すればいい結果を生む場合もあるような気がする

寒冷地のサッカー協会やクラブの反対は今の現状での反対なわけで、ドーム建設が可能なら根拠がないと思う
それこそ関西や関東の冬での外のサッカーより寒冷地のドームでの試合の方が観る方も試合する選手たちもやりやすいだろうと思う(ちなみにドームスタジアムでの応援は反響があるから迫力も満点だよね)

つぴぃさん、果たしてこんな夢のような話が実現できればいいが、真冬の雪の中のゴール裏で僕は足踏みしながら「あいしてるーーーとうきょうーーー」と歌う羽目になるのかもしれないなぁ

投稿: 東京坊主 | 2008/07/24 11:03

東京坊主さん、コメントありがとうございます。

現実的に考えると、ドーム型スタジアムをつくるお金はどこにもなさそうですよね。フツーのスタジアムを確保するのも大変なのに、ドームなんてとてもとても。

しばらくは静観するしかないのかな……。

投稿: つぴぃ | 2008/07/24 12:48

通りすがり失礼します。

ドームが出来たって何の解決にもなりませんよ。
札幌がいい例。
というか、その辺りも多くの方が語っている事なんですが。

もうひとつ。
>プロ野球が開催されない利点は大きい、スポーツ新聞やらニュースはサッカーがまずはトップになるしね

 大甘。契約更改・自主トレ・キャンプ…etc. オフ期間だろうが、プロ野球ネタ満載でいけるのが今のマスコミですがな。

投稿: たまBell | 2008/07/25 17:15

たまBellさん、通りすがりにお立ち寄りいただき、ありがとうございます。

ドーム球場やスポーツ新聞についての意見はワタクシのものではなく、コメント主さまのものですので何とも言いがたいのですが、個人的にはたまBellさんと同様の見解をもっております。ブログのメイン記事ではネガティブな雰囲気にならないよう気遣っておりますので、あまり言及はしておりませんが……。

投稿: つぴぃ | 2008/07/26 01:00

開催日程は似たようになるのですが、シーズン大詰めで北海道東北のチームは練習場が雪の下になり(いまでも九州などで長期合宿している)南で合宿し、ホームのスタジアムは使わず(札幌は四国の高知県で主催試合したこともある)に西のチームと戦うことになります。これにどういう意味があるのか?逆に暑い時に試合したくないなら夏休みを入れて冬を12月中旬まで延ばすほうが良い。欧州に合わす必要なし。日本はJリーグの理念とおり日本のサッカー普及が大事です。

投稿: 上杉 | 2008/07/27 16:50

上杉さん、はじめまして&コメントありがとうございます。

おっしゃるとおりですね。いくら欧州のほうがサッカー先進国だとはいえ、すべてを真似すればいいというものではないでしょう。欧州と日本では気候も風土もちがいますし、リーグ戦についても日本に合った運営をしていかなければならないはず。今、J入りをめざしている多くのクラブの希望を消してはいけないと思います。

投稿: つぴぃ | 2008/07/28 01:04

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