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2008/08/19

心を動かすサッカー

北京五輪女子サッカー準決勝 日本VSアメリカは、2-4でアメリカの圧勝。
日本は3位決定戦でドイツと対戦することになった。

典型的な「弱小国VS強豪国」の試合になってしまった。先制はしたけれど、その後は圧倒的な力の差を見せられて失点をつづけてしまう。せめて前半だけでもリードした状態(あるいは同点)で終わらせたかったが……。

常識的に考えれば、日本がアメリカに勝つことはほとんどムリなのだが、サッカーというスポーツには「100%」はない。10試合か20試合やれば、うち1試合くらいは日本が勝つかもしれないし、この対戦がその1勝になるかもしれない。いずれにせよ、全力を出しきって、悔いのない試合をしてほしい……そう考えていた。

前半、得点してからしばらくまでの間は、日本はみごとな試合をしていた。逆転された後は臆病になってしまったのか、防戦一方になってしまったが、それでも後半ロスタイムに1点を返して意地を見せた。敗戦はしたが、なでしこの奮闘は見ている者の心を動かしたと思う。

アメリカは王者のサッカーだった。男子のW杯でのブラジルがチームのコンディションを決勝戦に向けて高めていくように、アメリカチームは準決勝や決勝に向けてコンディショニングをしていたという印象。もしなでしこがアメリカに勝つとしたら、グループリーグのときが唯一のチャンスだったのだろう。

3位決定戦の相手はドイツ。これまたアメリカ並みに強いチームである。だが、おそれずひるまず、彼女たちはしっかり戦い抜いてくれるはず。なでしこの戦いを最後まで見届けたい。

女子サッカーは代表戦しか見ていないのだが、それでも彼女たちの成長が画面からも伝わってくるのはすばらしいことだ。監督も代わり、選手たちも入れ替わるが、「なでしこジャパン」というチームの戦い方には常に一本のスジが通っているように見える。しかも、過去の試合が経験としてチームの財産になっているので、大会ごとにチームが強くなっているのがわかるのだ。

たとえば五輪だけとっても、なでしこは大会ごとにステップアップをしている(シドニーには出場していないが)。ところが男子はといえば、シドニー大会以外では同じようなところをうろうろしているばかりか、ついには後退まではじめる始末。そりゃシドニー五輪世代には優秀な選手が多かったのだろうが、サッカーは個人だけが戦うスポーツではない。チームとして機能していれば、もっと上に行けたかもしれないのに。

もちろん、男子サッカーと女子サッカーではいろいろな条件が違いすぎて、単純に比べられないことはわかっている。が、五輪をTVで楽しんでいる一般層は「女子よりも給料が良くて、プロサッカー選手の男子のほうが情けないのはけしからん」と感じるんじゃないかな。

もしかしたら、苦労しながらも「サッカーが好き」という一心でプレーする女子のほうが、男子よりもサッカーそのものに集中しやすいのかもしれない。男子のほうには、協会内部の政治問題や、J各クラブとのかけひき、スポンサーがらみの思惑などが複雑に絡んでいるだろうし、選手個人にしても全員が「五輪のために勝つぞ」という気持ちでいるとも限らない。そんなバラバラな環境が、あの惨敗の一因ではあったかも……。

女子サッカーには見ていて「応援したくなる」要素がたくさんあった。男子サッカーは見れば見るほど心が冷え込んでいったが、女子のほうは見れば見るほど気持ちが熱くなった。私らは、そんな「心を動かしてくれる」サッカーをもっと見たいのだ(それは、東京の試合でも同じこと)。

実況アナが「日テレベレーザ」と連呼するのを聞いているうちに、「東京にも女子チームがほしいなー」と思ってしまった。東京という人口が多い地域であれば、サッカーが好きでたまらない女の子だってきっと少なくないはず。青赤の女子チーム、見てみたいよ……と思ったら、サンスポにこんな記事が。もちろん、すぐには実現するのは難しいだろうけど、いずれは女子サッカーやフットサルチームなども抱える総合スポーツクラブになっていってもらいたいなあ。

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コメント

つぴぃさん、なでしこジャパンはよく頑張ったよねぇ・・・・

観てて胸を討たれるような試合だった。
ロスタイムのゴールは試合の大勢に影響ないのかもしれないが、それでも一筋の光明が見えたゴールだった。
最後まで諦めない姿勢は素晴らしい
日本代表チームとして恥ずかしくない戦いだったと思う
「誇りと情熱」というのは彼女たちのことだと感じる
3位決定戦も期待が持てるような気がするんだなぁ・・・・
(それにしても世界のベスト4というのは快挙だよねぇ)

これは今回のオリンピックだけではなくアジア予選も見ていていつも感じること
ひたむきさや真摯な姿勢や情熱がいつも感じる
そういう過去からの延長でこのオリンピックも見てしまう
心を動かされるのは実はそういうプロセスがあるからかもしれない
何事も一歩一歩からだよねぇ

僕も苦笑してしまったんだが、アナウンサーの「日テレベレーザ」連発には引いてしまった
でもそれも仕方のないことだと思う
ピッチに立つなでしこの戦士たちの半分以上はベレーザ所属か元ベレーザ出身というから恐れ入る。
こりゃ「ヴェルディ」より人気がでるかもなぁ・・・・
我がクラブも「FC東京レディース」とか「レディース東京」なんていい響きだと思うんだが、村林社長さんもなでしこリーグ参入を考えていただけると嬉しいねぇ

それにしても佐々木監督というのは驚くべき指揮官だねぇ
戦術も采配も選手選考も理にかなっている
なにより選手たちからの信頼が厚いのが観ていてわかる
僕はよく知らないんだが、コーチから昇格してまだ一年もたっていないのにたいしたもんだなぁ・・・・
男子もこういう指揮官だったらまた違う結果になっていたと思うんだが、監督選びは難しいもんだなぁ

FC東京がなでしこのように熱く感動させられる試合を僕は期待している
熱い指揮官だからこそきっといつの日にかそういうチームになってくれると思う
それには一歩一歩いくしかないんだが・・・・

つぴぃさん、大和撫子というのは素敵な女性たちのことなんだねぇ

投稿: 東京坊主 | 2008/08/19 22:26

なでしこジャパンの試合、ちゃんとは観てないんですが、でも、立派でしたねぇ。幼稚園でサッカーをやるところが多い昨今、幼稚園児の試合を観ていると、その時点でサッカーがうまいか下手かが見えてきます。で、そのなかでも、長い髪の毛を揺らしながら、しっかりボールをキープし、ゴールに向かう女の子がいるんですよ。そういう子がそのままずっとサッカーをつづけられる環境があれば、絶対、なでしこジャパンの底上げができるのにと思いました。あと、もうすこし、タッパのあるGKが出るようになれば、ベストかな。

投稿: MIKA | 2008/08/20 08:23

東京坊主さん、コメントありがとうございます。

3位決定戦は早くも明日なんですね。日程が厳しい中でぎりぎりの試合を戦っていくのですから、疲労もピークではないかと思います。ドイツが強いことはわかっているのですが、それでもなぜか楽しみなんですよ……「勝てるかも」とかそういうことではなく、彼女たちがいい試合をしてくれることがわかっているからなのでしょうね。

シーズンが始まったころはそんなワクワク感があったのですが、最近はスタジアムへ向かう足が重くなりつつあって、そこがちょっと残念です……。

投稿: つぴぃ | 2008/08/20 10:49

MIKAさん、コメントありがとうございます。

スポーツに関しては、生まれながらのセンスが必要ですからねえ。私は早々に脱落したクチですが、五輪に出る選手たちは本当に特別な人たちなんですね。

サッカーを日常的に見ない人たちにとって、五輪は人気の底上げのチャンスです。これで、女子サッカーに人が集まればさらに強くなれるはず。男子は貴重な機会を逃してしまいました。

投稿: つぴぃ | 2008/08/20 10:51

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