勝利の代償
J1リーグ第25節 川崎VS東京は0-1で東京。
等々力での初勝利&今年の「多摩川クラシコ」は連勝。
試合終了のホイッスルの瞬間、ピッチにバタバタと倒れこむ選手たちが何人もいた。本当によく頑張ってくれた!と頭が下がる……というか、涙がにじむ思い。10人になって、よく耐えてくれた。
東京の得点は、はじまってまだ5分のころ。とはいえ、あまりにも早い時間帯での得点だけに、手放しで喜ぶ気持ちにはなれなかった。正直いって東京が1点を守れるチームだとは思っていなかったので、どうせ失点するのだから早いほうがいい……などと、ファンにあるまじき気持ちでいたくらいだ。
ところが、そんな悠長なことを言っていられない事態が東京を襲う。まずは赤嶺の怪我。これも、私の席からは何が起こったのかはわからなかったのだが、担架に乗ったまま奥へ運ばれていく赤嶺の姿や、すぐさま交代選手が入ったことなどを見るに、ただならぬ怪我だということだけは察した(携帯サイトによれば、上腕部の骨にダメージがあるかもとのこと。どうか軽症であってほしい)。
そして、前半終了間際の今野の退場。これはどう見てもフツーのファウル、悪くても黄紙程度のもので、まさか一発レッドとはまったく信じられない判定だった。ともかく、これで東京は10人になってしまい、虎の子の1点を守るしかなくなったのだった。
後半は、観戦者としてはひたすら祈るしかない展開。カボレに代えて鈴木達也というのは予定通りの交代だろうが、3人目の交代で投入されたのは藤山。監督からも「1点を守る」という明確なメッセージが伝えられたことで、選手たちも「積極的に守る」ことにシフトしていく。そして、待ち望んだ「試合終了」。
TV用の「ヒーローインタビュー」は、佐原。この日、彼はキャプテンマークを巻いていた。試合前に監督から渡されたそうで、本人も「この試合だけでしょうけど」と語っていたが、城福監督はすばらしい人選をしたと思う。古巣相手により奮起し、いい試合を演出してくれた、陰の立役者でもあった(赤嶺のゴールのアシストみたいなものだし)。
アウェイの地で、10人になっても1点を守りきったわがチームは、またひとつハードルを乗り越えたような気がする。だが、それには大きな代償が必要だった。リーグ10得点を獲って、3試合連続ゴール&「彼が得点すると負けない」ジンクスもあった赤嶺が、もしかしたら重傷かもしれない。そして、理不尽な退場をさせられた今野にも出場停止というペナルティが課せられている。
残りはあと9試合。どこのチームもしだいに疲労の色を濃くしていく中で、いかにして生き残っていくのか。祐介やブルーノなど、今まで負傷欠場していた選手たちの活躍が求められるところだ。チーム一丸となって、この苦境を乗り越えてほしい。
判定のマズさや赤嶺の負傷など、どうにもスッキリしない思いはあるのだが、それでもこの試合はものすごく感動的だった。東京と川崎という両チームの戦いが「多摩川クラシコ」として刻まれていくにふさわしいゲームだったと思う。このチームならまだまだやれるし、もっと高みを目指せる……そんな思いを強くした試合でもあった。
日ごろの行ないがよかったのか(笑)、台風一過の晴天にめぐまれた多摩川クラシコ当日。当初の予定どおり、自転車で行くことができたことも、満足感に花を添えていたのかも。自転車観戦や「等々力見てある記」については、また次回。
何せ、帰宅したら23時半だし、それから自転車整備(ダンナ担当)や夜食作り(こちらは私)、さらにはビデオリプレイにブエルタ&プレミア観戦などなどをしていたら、あっという間に3時。そろそろ眠気が気力に負けてしまいそう……ということで、とりあえずはおやすみなさい。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
お疲れ様でした。
僕もこの試合に関しては、眠りに落ちる前に感想を記したいと思い、
3時過ぎまでPCに向かっておりました(笑)。
本当に嬉しい勝利でしたね。
投稿: コール | 2008/09/21 03:28
先制されて、攻勢に出た川崎。不可解な判定で今野が退場すると、更に東京は自陣に押し込まれ、何時同点にされてもおかしくない迫力のある攻撃でした。
何度もサイドを突破され、中村憲剛にライン裏に決定的パスを通されるも、身体を張った守備で守る、守る!!
「10人の東京」のDNA、未だ健在なり、といった素晴らしい内容でした。
ただ、今野の退場判定を筆頭に、松村主審の判定は不安定で、試合を壊しかねないものでした。Jリーグは、もっと審判の技能向上に努力してもらいたいものです。
投稿: コタツねこ | 2008/09/21 08:12
等々力初勝利、おめでとうございます。応援に行かれなかったわたしは、うちに帰ったら「ママが来なかったから負けたんだ」という息子の理不尽な叱責にあいました
。相手が10人になって、守られてから、勝った試合って、じつはわたし今まで観たことがないんです>川崎
。だから、今野選手が退場したのは不運でしたが、東京には有利には働いたのかも。それにしても、柏VS鹿島の試合でまたいろいろあったみたいで、がっかり。帰りの南武線、川サポも東サポも仲良く電車に乗って帰ったのに……。
投稿: MIKA | 2008/09/21 14:40
コールさん、コメントありがとうございます。
限りなくアウェイ席に近いホーム自由で見ていたのですが、応援も本当にすばらしかったです。等々力でこういう試合が見られる日が来るとは……。次は火曜日ですが、いい流れを止めたくないですね。
投稿: つぴぃ | 2008/09/21 14:40
コタツねこさん、コメントありがとうございます。
判定は本当に理不尽でひどいものでしたが、それをブーイングにせず、選手たちを励ます応援へと昇華できたことが、今回の勝利におおいに貢献したのではないでしょうか。わがチームは本当にいろいろな戦い方ができるようになりつつありますね。応援しがいがあるというものです。
投稿: つぴぃ | 2008/09/21 14:43
MIKAさん、コメントありがとうございます。
そーか、MIKAさんがいらっしゃらなかったから勝てたのですね。ありがとうございます(笑)。次のホームゲームはしっかり勝ってください!
柏鹿島戦の一件は残念。日立台は選手と観客の距離が近いということが最大の魅力なのに……。ぜひそのうち行ってみてください。きっとより楽しめると思いますよ~!
投稿: つぴぃ | 2008/09/21 14:48
つぴぃさん、心地よい疲労感とでもいうのかなぁ・・・・
昨日は素晴らしい戦いをしてくれたチームに感謝したい
正直なところ川崎の怒涛の攻撃を凌ぎきれるとは思わなかった。
まさに薄氷を踏むような90分間、スタンド全体がと一体になって応援した東京サポーターの力がチームに勇気を与えたような気がするんだなぁ・・・・
理不尽な判定もあった・・・・赤嶺の負傷もあった・・・・それでも集中力を切らさず最後まで選手たちを信じてみんなが応援したことはとても誇りに感じる
試合前のゴール裏中心部はポッカリと穴が開いたように人が少なかった。
いつものように試合開始前には集まるだろうと思っていたが、ギリギリまで人が少なかった。
昨年の等々力でのクラシコは雨ということもあり、みなさん2階席や屋根のある部分に集まり中心部での応援はとても少なかった。
しかも惨敗という結果で終わってしまった・・・・トホホ・・・・・。
なんとしてでもあの二の舞だけは避けたいと思っていたら僕の隣に小学2年生ぐらいの男の子が座った。
ここ最近小中学生の子供達が増えたなぁ・・・とは感じていたが、さすがに危険地域なので(お節介かもしれないが)、席の移動をしたほうがいいだろうと思い親御さんを探した。
以前からそういう親子を見かけたら一応事情を説明することにしている。
たいてい「大丈夫ですよーーー」と言われるが、試合開始直後にもみくちゃにされるので途中移動する羽目になる。
基本的に背の小さい子供は見えないからお勧めできないんだなぁ・・・・
実は今年のオリンピア戦でもその男の子を見かけた
その時は最初迷子かもしれないと思ったので話しかけたら後ろのほうでお父さんがいるということなのでそのままにしといたんだなぁ・・・・
オリンピア戦はいつもの激しい応援がなかったのでよかったんだが・・・・・
少ししたらお母さんがきて席を移動しようと男の子を説得していた。
(なんとなく気になったが)男の子は頑としてお母さんの説得を聞き入れない様子だった
もしそのままいるようだったら僕が守らないといけないだろうと様子を見ていたら今度は一番前の手すりにまでいって身体を投げ出すように見る姿勢になってしまった
げげげーーーーこりゃ危険ではないかと思ったら周りにいたみんなが身体を落っこちないように支えてくれていた。
まったく知らない大人たちに混じり、それでもチームを応援しようとする男の子とそれを支えたゴール裏のみんなを見てうれしくなった。
お母さんは諦めたのかゴール裏中心部の真ん中にそのままいて見守っていた。
つぴぃさん、昨日のゴール裏は最初から最後まで一体となって応援していた。
声を張り上げ、旗を振り、マフラーを振りかざし、飛び跳ね、そして最後は抱き合った・・・・
理不尽な判定でも我慢し味方を鼓舞し声援を送った
厳しく困難な状況だからこそ結束することが大切なことなんだろうなぁ・・・・
試合後その男の子は誇らしげに母親の手を引いてゴール裏を立ち去った
もしかしたらまたホームで逢えるかもしれないなぁ・・・・・
投稿: 東京坊主 | 2008/09/21 16:18
東京坊主さん、コメントありがとうございます。
昨日の応援は本当にすばらしいものでした。ここ数年見てきた中ではいちばんじゃないかなあ。きっと選手たちの力にもなったと思います。で、その原動力の中に、こういう頼もしい少年が何人もいたのでしょうね。彼らの将来が楽しみです。
投稿: つぴぃ | 2008/09/22 01:50