(前回のつづき)
腹ごしらえもすんだので、いよいよ大垂水峠をめざします。
↑これが相模湖だっ!
高尾山口から大垂水峠までは、約7キロほどとのこと。もっと延々と登るのかと思っていたら、意外と近いのね……。ゆるゆるとした登りは次第にキツくなっていきますが、それほど大変というわけでもなく、それでも楽勝というわけでもなく、ただ淡々と漕いでいくのみ。
本当に大変になると、道路の白線ばかりを見つめて、自分の呼吸音ばかりが聞こえてくるような錯覚がしてくるのですが、少なくともここではそういうことにはなりませんでした。どちらかといえば坂よりも、時おり後ろから迫ってくるトラックの音にドキドキしていたような……。
↑道路沿いに控えめに立つ石碑
「ここが峠!」と言われて気がつくと、そこが「大垂水峠」でした。なるほど、道端には「大ダルミ峠」と彫られた石碑が立っています。でも、私が想像していた「峠」とはだいぶ違って、「坂道の途中」という雰囲気です。休憩ポイントでも何でもなく、相変わらずトラックもどんどん往来するので、のんびり撮影会をしているわけにもいきません。このまま、相模湖をめざすことにします。
ここからは、今まで登ってきた分だけ下っていく、軽快な坂道。登りも苦手なら、同じくらい(か、それ以上)下りも苦手なのですが、それほどの斜度もないので、お2人の後をついて、できるだけ遅れないよう下っていくことができました。やっぱり「後をついていく」というのはラクだわ~(もちろん、先を行くお2人がのんびり下ってくださったからこそついていけたのですが)。
相模湖へ向かう途中、秋祭りの「大名行列」を告知するノボリや、昔ながらの宿場町らしい建物なども見かけました。そのうち泊りがけで行って、周辺をのんびり散策してみたいようなところです。
↑「あんぱん」といっても5種類以上あって、洋菓子感覚で食べられます
相模湖駅前の商店街で、名物の「丹沢あんぱん」を購入し(ダンナにおみやげにしようと複数個買うも、結局全部自分で食べてしまった(笑))、駅前でひと休みしながら、帰りの計画を練ります……といっても、土地勘のない私はとりあえず聞いているだけ。そのくせ、選択権は私にあるのですから(いちばん体力がないため)、相変わらずのお嬢様待遇なのです(笑)。
↑相模湖駅前の「ふれあいパーク」にある魚のオブジェ
帰りのルートをいくつか聞いた中で、最初に除外したのが「そのまま引き返す」コース。せっかくここまで来たのですから、同じルートを通ってもあまり楽しくありません。「津久井湖」やら「和田」やら、名前だけは知っている場所を他人ごとのように聞き流していたわけですが……。
「裏和田にしましょう。こんな機会でもないと、一生、行かないかもしれないし」と、自転車師匠。
「えええっ、和田ですか? いえ、別に一生行かなくてもまったく構わないんですけど」
和田峠といえば、たくさんの自転車愛好家さんたちのブログで写真や登坂記を拝見してきた激坂として名高い場所。当然ながら、私には縁のない場所と思っておりました……というか、縁などもちたくないといったほうが正解だったかも(笑)。
「いや、せっかくチャンスがあるのにチャレンジもしないようでは一生の損です。ぜひ自分で体験してみましょう!」
↑特急に乗ると通過してしまう「相模湖」駅
う~ん、確かに言われてみればその通りです。今後、ここまで来ることはめったにないでしょうし、ましてや和田峠まで行くなんてことももうないかも(今後は年齢とともに体力が落ちていくだけですし)。だとしたら今回は、本当に生涯最初で最後のチャンスなのかもしれません。
結局、説得されてしまい、和田に行くことになりました(笑)。距離もいちばん短いって言われたしな……。
縁がない場所と思っていたせいで知らなかったのですが、和田峠へ行くルートには「表」と「裏」があり、今回、われわれが登るほうは、よりラクな「裏」のほうだとのこと。下りが苦手なだけに、「表」を下るのにも不安がありますが、決めちゃったからには行くしかありません。
こうして、「相模湖ポタ」は、いつのまにか「和田峠ポタ」になってしまったのでした。……って、全然「ポタ」ぢゃないじゃんか(笑)。
あ、和田へ行く前に、念願の「相模湖」を見ることもできたのですが、頭の中はもう「和田」でいっぱい。実のところ、相模湖をのんびり見物する心の余裕はなかったのでありました(笑)……ということで、以下次号。
最近のコメント