2009/03/11

しつこいぞ秋春制

犬飼会長は、まだ「秋春制」に未練をもっているらしい。

昨日、日本サッカー協会の将来構想委員会が「秋春制へは移行しない」という結論を出し、秋春制への移行見送りが事実上決定したという報道を読んで安心していたのだが、ヤツはまだあきらめていなかったのである。犬飼によれば「議論が不十分」とかで、今後は協会に新組織を立ち上げて検討を続ける方針を示したのだそうだ。

要するに、どんな反対意見があっても、もともとゴリ押ししようという魂胆だったのだろう。もしかしたら、話を蒸し返すことで話題性を喚起し、野球一色のスポーツ欄の中に少しでもサッカー枠を広げたいという意図があってわざとやっていたのかもしれないけど(たぶんそれはないな)。

観客の立場として書かせてもらえれば、「真冬にサッカー観戦なんてしたくない」ということに尽きる。もちろん、世の中には寒さに強い人もいるし、どんなコンディションだろうと愛するチームのためにスタジアムに駆けつけるという人もいるだろう。だが、そんな客はどちらかといえば少数派のはずだ。

試合は90分だが、観客がスタジアムにいる時間はほぼ2時間だ。早めに入場するために並ぶ人も多く、実際にはもっと長い時間をスタジアムで過ごすことになる。

寒さは我慢していればいいというものではなく、身体が冷えたことをきっかけにさまざまな病気を誘発することもある。子供の健康を心配する親は連れては来ないだろうし、冷え性の女性も敬遠しそう。つまり、集客に有効なファミリー層がごそっといなくなることになる。

そういえば、真夏の試合を避けたい理由のひとつとして「ゲリラ豪雨」を挙げていたが、それならば冬の大雪や凍結はどうなのだろうか。

交通機関は止まるし、クルマで移動するにも危険だし、選手たちも怪我をするかもしれない。こんなことを言い出せばキリがなく、秋には台風がやってくるし、春は強風が吹いたり、花粉症で大変な人もいる。一年を通して屋内でやれってことかよ!?と突っ込みたくなってしまう。

もちろん、猛暑のもとでの試合は選手も疲弊するし、いい内容の試合が少なくなってしまうのも事実だ。だが、日本代表の主戦場がアジアである以上、ある程度は「暑さ」に慣れる必要はある。

気温40度というアウェイの地は珍しくないし、日本代表がめざすW杯だって、北半球で開催される限りは暑さとの戦いになりかねない。国際舞台で日本代表が戦うとしたら、どう考えても「寒さ」よりは「暑さ」に慣れておくほうが有利にも思えるのだ。

「秋春制になれば選手の移籍がスムースになる」のかもしれないが、それ以前に重要なのが「海外からオファーされるような選手を育成する」ことだろう。いくらスケジュールが整っていても、魅力的な日本人選手がいなければ海外移籍は実現しない。

結局、冷静に考えれば「Jリーグを魅力的で強いリーグにしなければ、いい選手も育たないし、代表も強くならないし、選手の海外移籍もできない」ということなのだ。で、魅力的なJのために「秋春制」が有効かといえば、これはもう答えはわかりきっているはず。

金融危機のこのご時勢に、膨大な設備投資が必要とされる「秋春制」はますますもって非現実的といわなければならないだろう。本当にわけのわからない人だね、この会長は。彼には今週末、ぜひ山形で「山形VS名古屋」の試合を見てきてもらいたいものだ。そして現場でファンの声をしっかり聞いてくること。

わがクラブの社長は実にフットワークが軽く、スタジアムはもちろん、ペーニャの宴会にもひんぱんに顔を見せてくれるが、JFAの会長ともなると冷暖房完備のVIPルームを出ることはないんだろうね。もし日本各地のスタジアムに本当に足を運んでいたのであれば、こんな寝言は出てこないはずだから。


◆おまけ◆
真冬に2ヶ月近くのウィンターブレイクを入れて、かつJ1が全12チームくらいだったら、秋春制も可能かもよ!?

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2008/10/16

代表戦に思うこと。

W杯アジア最終予選 日本VSウズベキスタンは1-1のドロー。

日本代表には、何が何でも2010年のW杯に出場してもらいたいと思っている。なぜなら、われわれには「味スタを満員に」するという使命があるからだ。そのためにはJリーグにもっとお客さんが来てくれることが必要だし、そういったライトなファン層をスタジアムへ呼ぶには、日本代表が活躍してくれることが近道なのだ。

ところが結果は、ホームで1-1のドロー。しかも、内容ときたら、とんでもない「がっかり」サッカーである。こんな試合をしているようでは、「代表が頑張ってるから、初めてJでも見に行ってみようかな」なんていう客が増えるとは到底思えない。同日、オーストラリアがホームで快勝しているのに比べると、なんだか悲しくなってくる。

だが、「がっかり」「悲しい」と書く一方で、心のどこかには妙な期待感があった。「これを機に、監督が代わってくれないかな」と考えていたのである。

思えば、オシムさんが監督をしていたころは、ウチの選手たちが代表に召集されても嘆いたり怒ったりはしなかった。「きっと何か吸収してきてくれるだろう」「代表で学んだことを、クラブに還元してほしい」と素直に期待していたのである。

ところが今は違う。代表に呼ばれると、壊されるか、試合勘を失って戻ってくる。クラブにとってはプラスになるどころか、マイナスになるだけだ。代表に呼ばれることは名誉でもあり、選手たちにとっては夢でもあるだろうから応援はしたいのだが、ことごとくその気持ちを裏切られているのが実情なのだ。

前半で失点したとき、「この際、ホームで負けてくれれば監督が更迭されるかも」「監督を交代させるなら、今がチャ~ンス!」と思っていた。同点に追いついた時点で「ドローならさすがにクビはないか」と、別の意味でガッカリしていたりして……。

岡田監督がこのまま指揮をとりつづけても、よほどとんでもないことでも起きない限りは、日本はW杯には出場できると思う(これだけ恵まれたアジア枠にすら入れないとしたら、それこそW杯に行く資格がないということだ)。ただ、その先はどうなのか。またグループリーグで敗退するのだろうか。岡田監督には恨みも何もないけれど、彼のままではたぶんグループリーグは突破できないと思う。

だから、監督を交代させるなら今のうち、と思ってしまうのだ。

「代表で学んできてほしい!」と、クラブサポが喜んで選手を送り出せるような、そんな日本代表になってほしいのだ。

そんな日は、いつか来るのだろうか。

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2008/09/08

今さらバーレーン戦について

2010年W杯アジア最終予選 バーレーンVS日本は2-3で日本の勝利。
日本は最終予選初戦で貴重なアウェイでの勝ち点3を手にした。

後半40分までは0-3でリードしていて、「意外にも楽勝だったな~」と思っていたところへまさかの2失点。後半の追加点がなければ勝ちきれないところだった。これだからサッカーはわからないし、おもしろいのだろうね(と、また他人ごとのように……)。

日本の3得点のうち2点はFKとPK。なんだ~と思いたくもなるが、セットプレーできちんと決めることがどれほど大事か、また、PKを安心してまかせられる選手がいることがどれほどありがたいことか、東京ファンであればきっと身をもって知っていることだろう(笑)。

決定力がないと散々いわれている日本代表だが、これは今に始まったことではない。しばらく前に読んだ「日本サッカー史 代表編(後藤健生・著)」にはこんな一節があった。1958年のアジア大会での代表のプレーについての言及だ。


(日本は)ゴール前でもパスを回すだけでシュートを打たないので、見ている関係者はイライラを募らせていたという。(旧版のP.93)


これを読んだとき、「な~んだ、シュートを打たないというのは日本代表の家風みたいなものなのか!」と思ってしまった(笑)。釜本さんはスゴいストライカーだったらしいが(見たことがないので知らない)、あれは突然変異のようなものだから「釜本の再来」を期待してもあまり意味がない。

だとしたら、セットプレーを確実に決めるサッカーを追求して勝ち上がっていくのもアリだ。中村俊輔と遠藤に頼るサッカーはそんなにおもしろくないかもしれないが、最終予選を勝ち抜くためにはそれもまた戦術!?なのかもしれない。それに、セットプレー以外の得点だってたまには決まるしね。

終わってみれば2失点というのは、いいクスリになったかもしれない。このグループでは、バーレーンはオーストラリアに並ぶライバルだと思うが、アウェイで楽勝してしまったら、日本は緊張感を失ってしまう。2失点のおかげで守備という課題もできたし、メンバーもさらに再考する必要が出てきただろう(今ちゃん……)。勝ったからいえることだけれど、失点してよかったと思うしかない。

次は10月15日、ホームでウズベキスタンと対戦。こう書いておかないと忘れそうなので、ここにメモしておく。埼スタで平日夜に開催されるようだが、TVでしっかり観戦するつもり。


*記事で引用した一節は「日本サッカー史 代表編 1917-2002」より。改訂版も買わなきゃと思いつつ、まだ購入していない。私のように最近サッカーを見るようになった人間には必読本だと思う。

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2008/08/22

記録より記憶

北京五輪女子サッカー 3位決定戦 日本VSドイツは0-2でドイツ。
ドイツが銅メダルを獲得した。

いい試合だった。

なでしこは何度も決定的なチャンスをつくっていた。枠内シュートは日本のほうが多かったのではないだろうか。きれいなパス回しと労を惜しまぬ走りっぷりを見ていると、東京(日本代表もそうだ)にもこうやってほしいんだよ!と言いたくなってくる。

ドイツのほうがいろいろな意味でうわてだったが、日本にも充分に勝機はあった。後半は失速するのではないかと思ったが、後半に入っても彼女たちは頑張った。足が止まりそうになるところを、気力でもたせているようにも見えた。彼女たちを走らせているものは何なのだろう!?と考えてしまったほど。

グループリーグから3位決定戦までの6試合を、ほぼ中2日で走りつづけたなでしこジャパン。金銭的にも環境的にも恵まれず、男子サッカーよりも人気が低い女子サッカーは、今まで押さえつけられていた分の鬱憤を晴らすかのように、みごとに羽ばたいてみせた。彼女たちを見て、後に続こうと決心する女子は少なくないに違いない。

銅メダルは逃したかもしれないが、なでしこの戦いは多くの人の心に残るだろう。4位とはいえ、これも立派な記録である(記事タイトルと反対のことを書いてるけど)。五輪サッカーで準決勝に残ったこと自体、40年前のメキシコ五輪以来だというのだからたいしたものだ。試合後の選手たちの表情も「やり遂げた」という満足感が表われているようで、すがすがしかった。勝敗だけではない確かな手ごたえをつかんだのだろう。

JFAの会長様もおっしゃっているようだが、男女を問わず、これが日本が目指すべきサッカーの戦い方なのだろう。女子にできて、男子にできないはずがないのだが……。ダンナの感想は、「女子のほうがコミュニケーション能力が優れているから、サッカーが強いのでは?」というもの。うーむ、確かに選手同士がもっとよく話し合って、試合中も声を出して戦っていれば、もう少しはマシだったかもね……。

なでしこの戦いは立派だったが、彼女たちの偉業を思い出すたびに、同時に「それに比べて男子はヒドかったなー」と浮かんできてしまうのがなんともガッカリなんだけど(笑)。

明日は国立競技場でべるでーとの戦いなのだが……予報はしっかり雨! 国立で雨! ポンチョは必須のようだ。おまけに気温もかなり涼しいようなので、猛暑に慣れた身体には逆にキツいかも。

でも、涼しい気温と国立の良芝こそ強い味方!と信じて(でも雨は苦手なんだよなー)、今年のダービー全勝を目指し、久々にMoving Footballが見られるはずと期待することにいたしましょう。

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2008/08/20

五輪蹴球準決勝など

男子サッカー準決勝 アルゼンチンVSブラジルは、3-0でアルゼンチンが決勝進出。

日本代表とはまったく関係ないのに、NHKが生放送をしてくれるのだから、これがいかに注目を集める試合かということがわかるというものだ。両者がW杯で対決したことはほとんどないので、名目はU-23とはいえ、豪華なメンバーが集う両者の戦いが五輪で見られるのはうれしい。

でも、結果はちょっと予想とは違ってたかな。前半はお互い牽制し合いながらの緊張感あふれる試合でよかったのだけど、アルゼンチンが2点を入れて、次にブラジルのゴールがオフサイドで取り消された後は、何だかおかしくなってしまった。確かにファウルではあったけれど、何も2人を退場させなくても……。

審判はウルグアイ人で、南米予選ならよくあることだけど、五輪なのだから欧州の審判を呼ぶほうがよかったのかな?とも思ったりして。全体的にはいいジャッジをしていたと思うけど、2人もいなくなってしまえば試合は壊れちゃうよ。それに、あのオフサイドも微妙だったし……。

「Foot!」で見たところによれば、アルゼンチンではメッシよりもアグエロのほうが評価が高いらしい。そのわりにはこの五輪でもイマイチで、その評価ってどうなの?と思っていたのだが、この試合では「2ゴール&PKゲット」と大活躍なのであった。そうでなくても大活躍するメッシがいる上に、ここでアグエロがブレイクしてしまえば、アルゼンチンはずいぶんとラクになるだろう。お義父さんも大喜びだろうね。

プレミアが開幕しているのにマスチェラーノは北京にいるし、欧州の有名クラブのスタメンクラスが顔をそろえる両チームのメンバーを見て、「日本のU-23代表は、本気でコイツらと戦えると思っていたのだろうか?」とまたも疑問に感じてしまった。欧州各国はユーロがあるから五輪はどうでもいいと思っていただろうが、この南米2か国の五輪への注力ぶりは半端ではない。

本来であれば、日本もそのくらい本気でやらなければいけなかったのだ。反町監督は「悔いはない」と会見で言っていたが、もし本心から言っているのだとしたら本当に困ったものだ。日本人は総じて五輪好きなので、五輪で活躍したスポーツが一気に人気種目になることがある。その貴重な機会をみずから摘み取ってしまい、多くのサッカーファンを落胆させ、選手たちも海外スカウトに対して何のアピールもできず、サッカー日本代表の未来を暗いものにしてしまった責任は相当重いと思う。

で、そんな日本代表は今夜はウルグアイと親善試合。五輪代表メンバーが何人か招集されたようだが(ウチの長友とか!)、国内でのんきにヌルい親善試合をするよりは、北京に残って戦っていたほうがよほど代表の強化にはつながったはず。今夜はどんなグダグダな内容になるのか、ある意味、楽しみである。

最近は、代表戦を見ているとイライラするし、東京の試合を見ると悲しくなるので、先週からはプレミアに逃避を始めている。

「プレビューショー」~本編(試合)~「ハイライト」とつながる一連の流れは、週代わりのドラマを見ているようでとてもおもしろい。それに、プレミアはカメラワークのセンスも良く、微妙な判定を繰り返しリプレイしたり、監督の表情をしつこく追ったり、視聴者が見たいもの&送り手が見せたいものをしっかり映し出してくれる。

カメラの数や映像の美しさではCLのほうが上かもしれないが、プレミアのカメラは何だか人間くさくて好きだ。もちろん、スタジアムにまさるサッカー観戦はないとは思うけれど、画面で楽しむサッカーというものも確かにあるんだなと気づかせてくれるのだ。Jリーグの場合は、あくまで「スタジアムに行かれないから、仕方なくTVでお茶を濁す」というレベルの映像しか流してくれないからね。

注目の第一戦では、お気に入りのチェルシーが快勝してくれてひと安心。それにしても、04年からホーム無敗というのはスゴすぎる。ラニエリ~モウリーニョ~グラント~スコラーリと、監督も4人目なのに無敗継続中。味スタがスタンフォード・ブリッジみたいになる日は来るのだろうか。

毎年、チェルシーとは別に「ひそかに見守りたい」チームを決めるのだけど、(昨年はサンダーランド、その前はレディング、その前はウィガン)、今年はハル・シティに。104年かかってトップリーグ昇格というのもスゴいし、トラの着ぐるみもかわいい(笑)。頑張ってプレミアに踏みとどまってほしいな。

相変わらずミーハーに応援している「特別な監督」率いるインテルの試合は、セリエならではの複雑な事情により半分くらいは放送されないのが残念。でも、放送されるカードはたぶん必ず見るし、CLもあるので楽しみ。久々にセリエを見るんだなあ。30日以降はTV観戦スケジュールがパンクしそうなので、各国リーグはせいぜい1試合ずつしか見られないかもしれないけど(だって、ブエルタも始まるんですよ、奥さん!)。

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2008/08/19

心を動かすサッカー

北京五輪女子サッカー準決勝 日本VSアメリカは、2-4でアメリカの圧勝。
日本は3位決定戦でドイツと対戦することになった。

典型的な「弱小国VS強豪国」の試合になってしまった。先制はしたけれど、その後は圧倒的な力の差を見せられて失点をつづけてしまう。せめて前半だけでもリードした状態(あるいは同点)で終わらせたかったが……。

常識的に考えれば、日本がアメリカに勝つことはほとんどムリなのだが、サッカーというスポーツには「100%」はない。10試合か20試合やれば、うち1試合くらいは日本が勝つかもしれないし、この対戦がその1勝になるかもしれない。いずれにせよ、全力を出しきって、悔いのない試合をしてほしい……そう考えていた。

前半、得点してからしばらくまでの間は、日本はみごとな試合をしていた。逆転された後は臆病になってしまったのか、防戦一方になってしまったが、それでも後半ロスタイムに1点を返して意地を見せた。敗戦はしたが、なでしこの奮闘は見ている者の心を動かしたと思う。

アメリカは王者のサッカーだった。男子のW杯でのブラジルがチームのコンディションを決勝戦に向けて高めていくように、アメリカチームは準決勝や決勝に向けてコンディショニングをしていたという印象。もしなでしこがアメリカに勝つとしたら、グループリーグのときが唯一のチャンスだったのだろう。

3位決定戦の相手はドイツ。これまたアメリカ並みに強いチームである。だが、おそれずひるまず、彼女たちはしっかり戦い抜いてくれるはず。なでしこの戦いを最後まで見届けたい。

女子サッカーは代表戦しか見ていないのだが、それでも彼女たちの成長が画面からも伝わってくるのはすばらしいことだ。監督も代わり、選手たちも入れ替わるが、「なでしこジャパン」というチームの戦い方には常に一本のスジが通っているように見える。しかも、過去の試合が経験としてチームの財産になっているので、大会ごとにチームが強くなっているのがわかるのだ。

たとえば五輪だけとっても、なでしこは大会ごとにステップアップをしている(シドニーには出場していないが)。ところが男子はといえば、シドニー大会以外では同じようなところをうろうろしているばかりか、ついには後退まではじめる始末。そりゃシドニー五輪世代には優秀な選手が多かったのだろうが、サッカーは個人だけが戦うスポーツではない。チームとして機能していれば、もっと上に行けたかもしれないのに。

もちろん、男子サッカーと女子サッカーではいろいろな条件が違いすぎて、単純に比べられないことはわかっている。が、五輪をTVで楽しんでいる一般層は「女子よりも給料が良くて、プロサッカー選手の男子のほうが情けないのはけしからん」と感じるんじゃないかな。

もしかしたら、苦労しながらも「サッカーが好き」という一心でプレーする女子のほうが、男子よりもサッカーそのものに集中しやすいのかもしれない。男子のほうには、協会内部の政治問題や、J各クラブとのかけひき、スポンサーがらみの思惑などが複雑に絡んでいるだろうし、選手個人にしても全員が「五輪のために勝つぞ」という気持ちでいるとも限らない。そんなバラバラな環境が、あの惨敗の一因ではあったかも……。

女子サッカーには見ていて「応援したくなる」要素がたくさんあった。男子サッカーは見れば見るほど心が冷え込んでいったが、女子のほうは見れば見るほど気持ちが熱くなった。私らは、そんな「心を動かしてくれる」サッカーをもっと見たいのだ(それは、東京の試合でも同じこと)。

実況アナが「日テレベレーザ」と連呼するのを聞いているうちに、「東京にも女子チームがほしいなー」と思ってしまった。東京という人口が多い地域であれば、サッカーが好きでたまらない女の子だってきっと少なくないはず。青赤の女子チーム、見てみたいよ……と思ったら、サンスポにこんな記事が。もちろん、すぐには実現するのは難しいだろうけど、いずれは女子サッカーやフットサルチームなども抱える総合スポーツクラブになっていってもらいたいなあ。

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2008/08/15

グラン&パル本

あのパルちゃんとグランパス君の本が出るそうですよ!

タイトルもズバリ、「パルちゃんとグランパスくんのほん」ですと。「特別対談」って何だ~?とか、マスコット好きとしては気になってしまいますな~。「ドアラにまけるな!」ってとこですか。それにしても、試合会場で両キャラが集合しての記念撮影会はうらやましいぞ(笑)。

今ではJ1のチームでマスコットがいないのはウチだけだそうですが、それならば他の17チームのマスコットの名前と顔がパッと出てくるかというと、まったくそんなことはありません。そういえばいたな~という程度のキャラもいれば、顔は浮かぶけど名前がわからない子もあり……。

その中でもやはりこの2匹はものすごくキャラが立っているということなのでしょう。片や、パフォーマンスで。片や、そのビジュアルで。マスコットとして必要な要素のそれぞれが突出しているということで、他サポも一目置くキャラクターにのぼりつめたのかもしれません。

後発の東京としては、この2つの要素を兼ね備えたマスコットがベストということになりますが、何度も書いていますように、わがクラブの美意識とセンスにはほとんど期待しておりませんので、そういう高望みはしないほうがよかろうかと思います(笑)。

ドアラにせよ、阪神タイガースのマスコットにせよ(名前知らない)、門外漢にも印象に残ったマスコットの特徴はといえば、それはズバリ、パフォーマンスです。いわゆるマスコットではありませんが、ガチャピンだって、あの着ぐるみとは思えない(いや、着ぐるみではないのですが)アクティブな活動によって、ここまでの地位を獲得したのです。

となれば、東京がめざす路線は、グランパス君ではなく、パルちゃんでしょう(これも以前にも書きましたが)。来年にはお披露目があるかと思いますが、ぜひ「東京もマスコットでひと儲けだ!」という気分になれるような、魅力的な子が来てくれるといいな~と、あまり期待せずに(←ここ重要)待っていることにします。


それにしても、名古屋公式なのに「グランパスエイトオフィシャルページ」と表示されるのはいかがなものかと……。

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2008/08/14

人のせいにするな

北京五輪サッカー男子 日本VSオランダは0-1でオランダ。
オランダは決勝トーナメント進出を決め、日本は3戦全敗。

グループリーグの組み合わせが決まった段階で「勝ち抜けは難しいだろう」とは思っていたが、まさか全敗するとは考えていなかった。予想以上(以下?)に酷い結果である。

とはいえオランダ戦は、今までの中ではいちばんマシだったかもしれない。というより、オランダが予想以上(以下?)に良くなくて、「このマカーイとバベルは本物?」みたいな感じだったからあそこまでできたのかもしれないけど。

いつもよりも惜しいシュートが多かったけれど、サッカーはゴールをしなければ勝てない。オランダのPK1点のみという結果だが、悪いなら悪いなりに決めて勝ち進むのが強豪ってもんだ。

我らが長友は右サイドで先発。絶好調のときほどではないが、この日は輝いていたと思う。梶山のミスを主にフォローしていたのも彼で、「さすがチームメイト!」と感謝してしまったよ(笑)。

その梶山はといえば、あまり誉められた出来ではなかった。試合の残り時間が少なくなるにつれ、「もし失点するとしたら、梶山か本田圭が起点になるのでは?」とハラハラしていたので、梶山でなくてよかったというのが正直な気持ち(笑)。ものすごい才能をもっていながらも、常に「諸刃の剣」でありつづける梶山は、今のままではA代表入りは難しいのかもしれない……。

北京五輪全体を振り返っていちばんよかったことは、3試合で帰国できるということだ。疲れもあるだろうし、謎のウイルス感染症にかかっているかもしれないから、とにかく帰国してからは少しでも休んで、念のため診察も受けて、これからの戦いに備えてほしい。ホント、お疲れさま。


*追記*
もうひとつよかったことは、中国は時差もそれほどなくて近いこと。選手たちはもう帰国したようだ。これで1日半休めば土曜日は……!? なんてムリを言うつもりはないけどね。

それにしても、試合後の監督や選手のコメントには本当にガッカリさせられた。ひたすら自己正当化をして、敗戦の原因を他人(環境とか)のせいにするばかりなんだもの。

その最たる人物がチームの長たる反町監督なのだから、仕方がないといえば仕方がないのだろうけど。敗退の原因として「欧州に比べると、日本はぎりぎりの戦いを経験する機会が、国内リーグで得られない」と語ったり、チーム作りの課程で十分な支援を得られなかったことが指摘されていたりで、要するに「自分は悪くない」の一点張りである(スポナビ記事はこちらこちら)。

選手も選手で、ナイジェリア戦を「サッカーには勝ったが勝負に負けた」と評し、オランダ戦での敗北をレフェリーのせいにしている本田圭とか、「このチームには精神的軸がない」と言う内田とか、本当に情けない。そういう他人まかせの精神構造だから、試合内容も「誰かが決めてくれるに違いない」という感じのものになっちゃうんだろうなあ。

五輪はサッカーしか見ていない私にとっては、あとは女子の奮闘を見届けるだけ。ふがいない男子に、「大和魂」を見せてやってほしいね。

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2008/08/13

祝・なでしこ&必勝祈願

北京五輪女子サッカー 日本VSノルウェーは5-1で日本。
日本はグループ3位ながら、決勝トーナメント進出を決めた。

終わってみればビックリな結果。生中継があるのかないのかわからず、結果を知ったうえで、途中からBSで(タイムテーブル通り放送してくれ!)見ることができた。

試合を見ての率直な感想といえば、東京の選手たちも見習ってほしいぞ!みたいなゴールばかりだったなーということ(笑)だった。

日本の1点目は、失点してから5分以内に取り返したもの。得点後すぐの失点はいちばん警戒しなければいけないし、逆に、失点後にすぐ返すことができれば試合の流れは一気に有利になる。起点になったクロスは見事な精度で、そこに走りこんでいたSBの選手も偉かった。精度の悪いクロスを見慣れていたもので(笑)、よけい印象に残ったのかもしれないけど。

2点目と3点目は、相手のオウンゴールだったり、相手ディフェンダーの足に当たって入ったりしたラッキーなゴール。でも、シュートを打つからこそこういう場面が出てくるんだよね。

4点目はしつこい波状攻撃が実を結んだもの。ゴール前でごちゃごちゃと入り乱れての惜しい場面というのは東京でもよく見るけれど、これで入ったことはほとんどないんだもんなー。ここで冷静に決めた澤はさすがである。

で、5点目を見て、先日の名古屋戦での後半ロスタイムを思い出した人も多かったのでは!? あそこはこうやって決めるんだよ!

ノルウェーのほうも、決勝トーナメント進出がほぼ決まりそうということで、途中からは気力も失われてしまったみたいだった。ま、そうであったにしても、とにかくこの勝利はめでたい!

準々決勝の対戦相手は中国! 8月15日に中国で中国代表と戦うということで、いつにもまして「完全敵地」な環境なのではないかと思うのだが、男子サッカーとは違って根性のあるなでしこのこと、きっと頑張ってくれるだろう。

でも、NHKの放送予定では女子サッカーは「録画」になっている。これは絶対生放送で見たい!……ということで、NHKオンラインから要望メールを送りましょう!


*追記*
総合テレビでの生中継が決まったようです。めでたい!


で、週末は浦和戦なので、今週は調布市内の神社へ必勝祈願へ行ったのだった。

ふだんは閑散としている境内には、三脚が林立している。何か珍しい鳥でもいるのだろうと聞いてみると、アオバズクがいるとのこと。場所を教えてもらうと、肉眼でも確認できた。猛禽類だけど、かわいい顔をしてるんだねー。さすがにコンパクトカメラでは撮影できなかったけど……。機会があったら、双眼鏡をもって見に行きたいな。たとえば浦和戦の前とか(笑)。

多摩湖のオオコノハズクが今年からいなくなってしまって淋しい思いをしていたのだが、こんなところでアオバズクとは、なんだかラッキー。週末に向けていい予感がしてきたぞ(と、単純なわたくし)。

でも、田中達也とポンテが負傷から復調だとか(東京戦のときだけ出てきやがるのね)、天気予報が土曜だけどうにもあやしいとか、いろいろ気になる要素もあるんだけど……。雨には弱いわがチームのこと、せめて天気だけでも何とかもってほしい!

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2008/08/11

北京終了。

北京五輪サッカー グループリーグ 日本VSナイジェリアは1-2でナイジェリア。
日本は2戦目にして、グループ敗退が決定してしまった。

なーんだ、梶山も長友も出ていないのかーと、ますます見るモチベーションが下がる五輪サッカー。それでもアメリカ戦よりはシュートが枠にいっていたような気もするけど、決められないのは相変わらず。後半に得点ができたのはよかったと思うけれど、時すでに遅しで、2戦目にしてグループ敗退となってしまった。

ナイジェリアの若い世代といえば、毎回、想像もつかない身体能力で驚かせてくれるものだけど、昨日の試合ではそうでもなかった。とんでもない加速で走っていったり、ありえないところから長い足が出てきたりといった場面はあまりなく、スローインがよく飛ぶとか、ゴールパフォーマンスはやっぱバク転だよねとかその程度。だからこそ、日本にもチャンスがあったような気もしたんだけどなあ。残念だ。

敗退が決まってみて改めて思うのは、この北京五輪のサッカーに対して、スタッフ(JFA?)はどのくらい本気だったのかということだ。

サッカー界ではW杯こそが最高峰の戦いの場であって、五輪の地位はそれほどではない(という認識が一般的)。だが今回、ブラジルはロナウジーニョをオーバーエイジ枠で使ってきたし、メッシはクラブ側の意向を無視して中国にやってきた。南米の強豪国がこれだけ「勝ちたい」という意志を明確にする中で、日本はどうだったのだろう。

オーバーエイジの選手を使うかどうかにあたってのゴタゴタは記憶に新しい。クラブ側が断ったり、選手の体調がすぐれなかったりで実現はしなかったが、もしも日本サッカー界全体が「五輪で勝とう」という統一した意識をもちつづけていれば、クラブ側が拒否しても選手は中国へ行ったかもしれないし(メッシのように)、根回しを十分にしていればクラブ側がかたくなになることもなかっただろう。

五輪世代の選手は、次のW杯では主力になっているべき存在だ。でも、どうも日本の場合、五輪は五輪、W杯はW杯、という区分けができてしまっているような気がする。アテネのときだって「アテネ経由ドイツ行」とか言っていたわりには、どうもアテネが終着駅になってしまっていたようだし。各年代代表がつながっていく形での強化はできていたのだろうか。

そういう私も、東京は必死で応援しておきながら、五輪サッカーは早く終わってくれればいいのに……なぁんて考えているクチだから、ヒトのことは言えないんだけどね。まずはここから意識改革しなきゃダメか。

グループ敗退は決まってしまったが、まだオランダ戦がある。幸いにして、オランダは勝ち抜けを決めていないので、全力で日本にぶつかってくるだろう。強豪国に対してどこまで出来るのか、自暴自棄にならず、しっかり戦って、それぞれのクラブに戦果をもちかえってほしいものだ。

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