2008/07/07

今年もツールの季節

今年も、ツール・ド・フランスの季節になった。

昨年、一昨年とスッキリしないレースが続き、正直いって「ジロのほうが楽しめるんじゃね!?」と感じている部分もあるのだが、それでもツールは特別だ。どのへんが特別なのかというと……。


・放送時間が長い

ほぼ毎日、4時間以上が生放送(山岳だと6時間以上やってることも)。その他のレースがほぼ2時間しか放送されないことを考えれば、ものすごく恵まれている。Jスポーツ様さまである。

2時間枠の放送では、映像が始まった時にはすでに逃げが決まっていたり、前半にあった山岳がすでに終わっていたりで、肝腎の部分が見られないことが少なくない。

でも最初から放送してくれれば、逃げ集団がどうやって形成されていくのかがわかる。長時間の放送で実況解説陣がだんだんダレてきたりするところも楽しい。一応録画しながら見ているので、万一見逃したところもすぐプレイバックできるので安心だ。平日はさすがに最初から最後までリアルタイムで見られないが、週末や山岳ステージはできるだけつきあいたいものだ。


・映像がきれい

我が家ではハイビジョンはあまり関係ないのだけど、それでも映像がとても美しい。カメラマンのセンスもいい。技術的にも、映像が途切れたり、ノイズだらけになることが少ない(ブエルタはちょっと悲惨だったりするし)。風景ももちろんすばらしい。3大ツールの中ではやっぱり特別なのだ。


・観客を見るのも楽しい

観戦する側にも気合いが入っている。コスプレ(笑)やら大規模オブジェやら、畑のアートやら、とにかく見ていて飽きない。毎年、何かしら動物とのアクシデント(?)もあるので、それも密かな楽しみ。


・受賞式に出てくる女性のレベルが高い

各賞ごとに違う美女たちが出てくるのはツールだけ。服装も各賞ジャージにならったものでとてもかわいい(水玉ワンピはとてもステキだ)。受賞式におばちゃんやオヤジが出てきても別に構わないのだが、やっぱり美人のほうが絵になるよね。ジャパンカップとかも和服美人でも出せば、外国人選手にウケると思うんだけどなあ。


・レースの開催時期がいい

7月は海外サッカーが終わっているので、心おきなくツールが見られる(というか、他に見るものがない)。ジロの時期は優勝争い(残留争い)がピークだし、ブエルタはシーズン始めだし、どうもレースに集中できないんだよね。Jリーグはもちろん絶賛開催中なのだが、負け試合だとビデオを見る気にもなれない。来週は、「ツールよりも勝ち試合をもう一度見よう!」ということになればいいんだけど。


な~んて、レースそのものとはあまり関係のないツールの見どころを書き並べてみた。わが家は宵っ張りなので、夕飯をつくりながら(&片付けながら)実況解説を聞き、食べながらレースを見て、ゴールシーンは食休み……みたいなサイクルで楽しく観戦しております(笑)。さて、今夜も忙しいぞ!?

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2007/07/25

再びツールに激震

ツール休息日に衝撃のニュースが。
ヴィノクロフの血液ドーピング陽性判定を受けて、アスタナがツールを去ることになったという。

昨年といい、今年といい、「またか」という気持ち。

ルールなのだから、ドーピングが判明したことによって、レースに参加できなくなることや、選手活動が制限されることは仕方がないとは思う。だが、その検査と処分の基準とシステムが明確でないので、選手が割に合わない処分を食らったり、処分された後に無実が判明したりすることもある。その一方で、「見つかっていないから大丈夫」と「やったもん勝ち」になることだってあるはず。いろいろな立場のいろいろな人の私利私欲が渦巻いて混沌としていて、どうしようもない状態になっているのではないかと思う。

選手生命は決して長くないし、有名なレースは1年に1度しかない。貴重な短い自転車人生を「ドーピング検査に引っかかったけど、実はシロでした」とか「同じチーム内の選手がクロだったのでレースから撤退します」とか言われて奪われてしまうのでは、あまりに選手が気の毒だ。失った年月は二度と取り戻せないのだから。

WWEが好きだったせいもあるのかもしれないけど、私自身は「自分の意志でリスク覚悟でしているなら、別にいいのでは?」というのが基本姿勢。そもそもシステムがちゃんとしていないくせに厳しくやろうとしても、ツールというブランドを貶めるだけじゃないの!?と思ってしまうのだ。もっとも最近は、今までにない活躍をする選手を見るたびに「やってるのかも~」と冗談を言いたくなってしまうのが問題かもしれないけどね(笑)。


けれど、繰り返されるこの話題に飽き飽きしているのは確かだし、せっかく感動したレースだったのに裏切られたような思いを抱いている人もいるだろう。本来、自転車レースのすばらしさを伝えるためのレースなのに、かえってイメージダウンが進むばかりなのは、本当に残念なことだ。

専門的なことはさっぱりわからないからただのファンとして書いているけれど、一度、検査のシステムを白紙に戻して、最初から構築しなおしたほうがいいのではないだろうか。一般人が日常で飲むような風邪薬レベルも禁止というのも、ちょっと考えたほうがいいのではないかと思う。あんな過酷なレースを3週間も続けるのだから、調子が悪くなることは充分ありえるし、その治療も満足にできないというのではツラすぎる。選手も主催者もチームもファンも納得できるシステムというのはムリかもしれないけれど、せめて今よりはマシなものを望みたい。


さて、今晩は最後の山岳ステージ。でも、今夜はアジア大会を優先させていただきます。レースは4時からの再放送を録画して、じっくり見させて(聞かせて)もらいましょう。

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2007/07/16

ツール・ド・フランスの夜

台風4号襲来で、自転車どころではなかったこの週末。

ところが、今年のツール最初の山場がこのタイミングでやってきてくれたものだから、夜7時半から午前1時まで、思わずじっくり見ちゃいましたよ。いやはや、5時間以上の長丁場だったけど、ほとんど飽きることがない(というか目が離せない)展開で、これをリアルタイムで見られた幸運に感謝してしまったりして。

この日のマイヨ・ジョーヌは、ラスムッセン。今までこれを着たことがなかったとは思わなかった。水玉ジャージが似合う男だけど、黄色もいいね。05年のTTで自滅していった姿は忘れられないけれど、その時の悔しさはきっとまだ残っているはず。できればラボバンクもラスムッセンに注力してほしいけれど、そのあたりはまだどうなるかわからない……。

イバン・マヨが山岳王として復活しかけているのもうれしい限り。エウスカルテルでのバスクの応援が重荷だったそうだけれど、そういうコメントを聞くとちょっと考えてしまう。ファンの期待が重圧になって、選手の力を奪ってしまうということが実際にあるんだね。ともかく、いつのまにやら総合3位。個人TTや平坦ステージでは期待できないけれど、山岳では思い切り実力を発揮してほしい。でも、やっぱりヒラヒラジャージは見たいね(笑)。

そういえば、今回のツールはイタリア人の有力選手が軒並み出ていないような気がするけど、ボイコットでもしているのだろうか? 国別で目立っているのはスペイン人選手が多いような。

ジロで活躍した有名どころがほとんど出なかったのでガッカリしていたのだが、始まってみるとさまざまなドラマがあってとても面白い。実況・解説陣も飛ばしているしね。コパ・アメリカも終わってしまったし、ワールドユースも(日本的には)終わってしまい、アジアカップはあまり熱心に見ていないので、これからはツールに集中できそう。あと約2週間、じっくり楽しませてもらおうと思っている。

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2007/06/13

つがいけサイクル2007

ヒルクライムレース「つがいけサイクル2007」に出場する自転車師匠&友人たちを応援するため、栂池高原へ行ってきました。

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↑こんな看板があちこちに


スタート地点の標高は625メートル、ゴールは標高1825メートルの栂池ロープウェイの終点。全長17.1キロ、標高差1200メートル、平均勾配7.0%、最大勾配10.0%というのが、コースプロフィールです。

まず最初にスタートするのが、3組に分けられた実業団登録の選手・約300名。うち上位100名だけが、午後に行なわれる11.7キロの「実業団個人TT」に参加できるのです……つーか、こんな坂を1日に2回もレースで登るのかよ!? さすが実業団。

ちなみに、速い人であればここを50分未満で登ってしまうとのこと。一般参加者の平均はわかりませんが、レース開始から約2時間半後の正午には計測が終了してしまいます。1時間半~2時間のあいだにゴールできれば万々歳といったところではないでしょうか(女子最速が1時間10分台です)。


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↑ゴンドラから見たコース


このレースのおもしろいところは、実業団選手が走る一方で、地元の中高生も走っているということ(スキー部所属だそうです)。通学用のヘルメットに、Tシャツ&短パン姿、サイズの合わない自転車で、自己流のフォームで登っていく彼(彼女)らには、毎度のことながら驚かされます。涼しい顔で大人の乗る高級自転車をひょいひょい追い抜いたり、ギアを使い切らずに完走したりするのですから、若さというのは本当にスゴい。

われわれ年寄りは、体力と技術のなさをお金で補完しながら(軽い自転車を買ったり軽量パーツをつけたりね)必死で登るわけですが、10代の子たちにとってはそんなものは必要ないのですね。「技術とギアがなくても登りきれる若さ:priceless」などとマスターカードのCFを真似てつぶやいてみたくもなるものです。

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↑ゴール地点の標高

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↑まだ雪が残っています


レースには出ない私らは、ゴンドラとロープウェイを乗り継いでゴール地点へ向かいます。こちらの気温は5度。雪が残り、ミズバショウが咲くゴール地点は風情がありますが、レース参加者にとってはそれどころではありませんね。山頂はそう広くはないので、下りの準備ができた人から少しずつ下山していきます。まだ登ってくる人がいるので、あくまでスローペースでね。


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↑個人TTスタート地点は「熊出没注意」


午後は「実業団個人TT」のスタートを見学しに行きました。

約100人(リタイアもいるので)の出走者が、30秒おきにスタートしていきます。午前中のレースで最速だった選手が、いちばん最後にスタート……というのも、TVで見慣れたロードレースと同じ。


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↑午前中のレースで3&4位だった野寺秀徳選手と村山利男選手

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↑総合1位のチームブリヂストン・アンカー、田代選手

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↑Jスポーツでおなじみチームミヤタの監督


応援のかいあって(?)、わが自転車師匠とお仲間たちは5人全員が完走。実業団レースも見られて、観戦も応援もできて、雪景色も楽しめて、食事もおいしく、温泉にも入って……と、もりだくさんな2日間でありました。来年は、自転車をもっていきたいものです(レースは出ませんよ、もちろん)。

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2007/06/12

つがいけ備忘録

6月第2週の日曜は、ヒルクライムレース「つがいけサイクル」の開催日。

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↑スーパーあずさ


来年も見に行くかもしれないし、あずさで輪行というのは楽しそうなので、将来のためのメモ。
時刻表はもちろん変わると思うけれど、参考にはなりそうだから。


・往路
あずさ3号 7:53立川発、11:27白馬着。本来は立川まで自走の予定だった。
指定席のチケットは約10日前に購入、車両最後尾の席を指定できたけれど、実際に乗ってみたら当日の指定は満席。「あずさ」は人気の特急のよう。

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この車両は新しく、きれいだった。
最後尾の席の後ろはこんな感じで、作りつけのテーブルがあるため、自転車がうまく置けるかどうかは微妙。小径車ならフツーに入ると思うけど。
席はC・D席のほうが、諏訪湖や青木湖が見えて楽しいかも。


・復路
スーパーあずさ28号 14:51白馬発、18:01八王子着。日が長いので八王子から自走の予定だった。
でも、八王子で降りれば、同じホームに中央線の「快速東京行」が来る。乗換えの手間がないので、場合によっては中央線に乗り換えて、最寄駅まで行く手もあるだろう。日曜夕方だが、電車は混んでおらず、自転車ごと乗り込んでもそれほど邪魔にはならないような感じ。

不思議なことに「スーパー」のほうが車両が古かった。たまたま乗った車両は昔は喫煙車だったらしく、どことなく煙が残っているような感じだったし。こちらも1週間前であっても、最後尾の座席を購入できたが、当日は指定席は満席。やっぱり人気路線なのだった。白馬で乗ったときはガラガラだったけど、松本でほぼ満席に。


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最後尾の座席はこんな感じ。こちらは余計なものがないので、自転車はそのまま置けるだろう。


あずさで輪行というのは、大荷物を担ぐのが苦手な私にとってはいちばん気楽なコースかもしれない。ともかく、乗換えがないのがデカい。昨年行きそびれた松本にも行ってみたいし、諏訪湖のあたりもおもしろそう。白馬はそのうちリベンジするだろうし、甲府は12月に行く予定だし。計画だけならいくらでも立てられそう。


・ゴンドラリフト
栂池のゴンドラリフトは、事前にコンビニや白馬駅などで前売券(または引換券)が購入できる。そのほうが400円安くなるので(3300円→2900円)、観戦だけなら買っておくべき。


・レーススタート直後の観戦
実業団レースのスタート地点(ゴンドラ途中駅近くの林道入口。スタート地点から約5キロ)がベストポジション。荷物になっても構わないのなら、鳴り物などをもっていくとより楽しいと思う。


・ゴール付近での観戦
寒いので防寒装備が必須。ちなみにこの土日の気温は、5~6度だった。雪も残っているので、ぬかるみでも歩けるような靴がいいと思う。今回の服装は「下着+長袖ジャージ+半袖ジャージ+フリース+ウィンドブレーカー」に、ニット帽+マフラー+手袋。それでも30分以上いると寒かった。荷物が重くなるかもしれないけど、防寒装備はもっていかないと後悔する。一方で、スタート地点付近の気温は20度近いし、晴れればすごくまぶしいので、サングラスと日焼け止めは必須。

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2007/06/02

まもなくジロ終了

07年のジロ・デ・イタリアも、実質、個人TTを残すのみとなった。

前半は、サッカーの試合と重なったりしたのであまり熱心には見ていなかったけれど(従来通り、翌朝の再放送があればよかったのに)、中盤~後半にかけての山岳ステージは本当におもしろかった。今年のコースは序盤から山が多くて、平坦なのはほとんどナシというのもよかった。そんな中で、ペタッキが残っている(はず)なのは本当にスゴいと思う。

まだ土日が残っているけれど、90%以上はディルーカに決まりそう。個人的にはクネゴを応援しているので残念だけど、クネゴにはツールで頑張ってもらいましょう(とはいえ、実はツールはそんなに好きではない。もちろんレースはすばらしいけれど、傲慢な運営側がどうしても好きになれない。ランスへの仕打ちはあんまりだ)。

今年のジロは、ステージごとに違う役者が大活躍してくれたのがうれしかった。最初のステージをとったときのペタッキにはもらい泣きしそうになったし、シモーニも最後までガッツを見せてくれた。「このへんで出てきてほしい」と思う選手がちゃんと出てきてくれたところがいい。決定的に強い選手はいなかったかもしれないけれど、ちゃんと「オールスター」になっていたからね。

で、19ステージといえば、マヨの復活ですよ!

ツールのステージでランスに勝って以来、人々の期待が大きすぎたのか、バスクの誇りが邪魔をしてしまったのか、ともかく数年にわたって丁重なパフォーマンスが続いていたイバン・マヨ(最近はマヨスなんて選手まで出てきて、いよいよ影が薄くなる一方)。少し前は、リタイアしたいのに周囲の選手たち(チームメイト以外にも!)に励まされたり押されたりしながらヨロヨロ走る姿ばかりが印象的で、何とも哀しい気分になっていたものだ。

バスクとエウスカルテルの呪縛から解き放たれたためか、今季のマヨは生き生きしていた。ゴールのときの表情もすばらしかった。私としても、マヨラー復活(笑)かな。クネゴにももっと頑張ってもらわないとね。


それにしても、映像だと「22%の坂」が激坂としてTV画面で具体的にわからないのが残念だ。20%くらいの坂を実際に目の前にすると、本当に「こりゃダメだ~」というか、気力をそがれてしまうほどの圧倒的な迫力があるのだけれど、TVじゃわからないのだもの。実況映像でムリならCGでもいいから、「選手の見た目」とかを体験させてほしいな~と思ったりするのである。

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2006/05/19

ジロは決まってしまったのか!?

休息日明けのジロ・デ・イタリアは個人TT。

もともとクネゴは個人TTは苦手だと認識していたが、予想以上に差がついてしまって本当に残念。私のようなシロートが見ても、フォームがよくないし足も回っていないし、時折り立ちこぎまでして上半身が安定していないしで、しごく妥当な結果になってしまったという印象だった。TTが苦手という問題点は2年も前から明らかだったのだから、それを克服するための施策は何か練っていたのだろうか。ステージレースの場合、TTが全体の結果を左右しうるということを知らないわけではないだろうし。

「あー、欠点はわかったから、もう次、次!」と、東京の試合を見ているときのようなリアクションをしてしまったよ(笑)。一昨年、どうして彼が総合優勝を遂げられたのか実に不思議。ま、他にライバルとなるような人材が不足していたというだけだろう。せめてTTで10位以内に収まらないと、総合優勝は狙えないだろうな。すべてを見直して、一から出直してほしい。

それにしても、ウルリッヒの強いこと。前傾姿勢の身体は、明らかに「腹、出てるでしょ」という印象なんだけど、もう本当に強い。調整レースだろうと、デブといわれようと、TTはとにかく強いのだ。一昨年だったかのツール・ド・スイスの最終ステージを思い出したね。

今後、よほどのアクシデントがない限りはバッソの総合優勝はゆるぎないもののような気がしてきた。気分は早くもバッソの「ダブルツール」か……。でも、改めて感じてしまうのは「ランスの強さ」だったりする。ジロでの総合争いを見ていて、逆にランスがいかに偉大な存在であったかを再確認させられたような感じ。

ひいきのクネゴはダメそうだけれど、レースを投げずに最後まで走ってほしい。ジロはW杯とダブらないので、しっかり私も最後まで応援するからね~!


◆おまけ◆
昨年は現地で観戦した「ツアー・オブ・ジャパン」だけれど、今年は所用があって行かれなくなった。見に行く予定の人は、補給食とドリンクを忘れずにもっていってほしい。大井埠頭のあたり、飲食店もコンビニもゼロだからね……。

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2005/10/27

宇都宮1日観光

天候不順のため、自転車で宇都宮観光をすることはできなかった。

すべて雨が悪いのである。小雨だったので自転車走行は可能だったが、翌日のことも考えればムリは禁物だ。結局、バスで大谷へ行くことにした。

第一の目的は、大谷資料館を見ること。入場料600円を払うと、大谷石の地下採掘場に入ることができる。今なお掘り続けているという大谷石の産地だ。坑内に一歩足を踏み入れると、その広大さに圧倒される。うわー、これは一見の価値があるよ……。
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説明文によれば「後楽園球場がまるごと入る」広さだそうだが、ぽっかりと地下に広がる大きな空間の中にいるだけで、得体の知れない不安感に襲われてしまう。坑内気温は11度とのことで、息が白く見える。坑内は独特の空間を生かしてアートギャラリーのようになっているのだが、薄暗い照明の中によくわからない芸術作品が置かれているので、不気味度が1.5倍にアップという感じ(芸術がわからないのでお許しを)。

私のお目当ては、中島飛行機の地下工場跡地だったのだが、説明文の看板があっただけで工場らしき場所はよくわからなかった。就業人員は1万5千人近くという巨大な工場だったそうだが、寒さや落石などの過酷な環境のために「地下工場」としての効率はあまりよくなかったらしい。

地下採掘場はもちろんだが、この地域一帯が大谷石の産地なので普通に散歩をするだけでも異様な景観が楽しめて面白い。大谷石だけで作られている一般住宅もあるし、大谷石でできた不思議な石像があちこちに立っていたりもする。大谷寺の観音像も拝観料分のことはあると思う。帰りはバスの時間が合わないのでタクシーを呼んだのだが、ホテルまでの料金は3500円近くもした。自転車観光ならタダだったのになー。ちなみに宇都宮駅からの距離は、レース会場へ行くのとほとんど変わらない。自転車観光にピッタリの場所なのである。まったく、雨がうらめしい。

ジャパンカップ出場選手の宿泊先のイタヤホテルにも行ってみた。残念ながらクイックステップの行商人たちの姿はなかったが、後で考えたらお財布のためにはよかったかもしれない(笑)。ホテル内にはこんな貼り紙があった。ロビーで自転車に乗る人がいるということだろうな。
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レース会場となる宇都宮森林公園には、釣堀やバーベキュー場、サイクリングターミナルなどがあって、アウトドアで1日中遊べる場所のようだ。赤川ダムの堤防にいると、なぜか多摩湖を思い出す。宇都宮のほうがさすがに紅葉が早かった。レースが行なわれるコース全体を走ったことはないが、そのうち一度走ってみたい。1周14キロという距離はそれほどでもないが、きっと相当疲れるんだろうな~。

ここ数年、サッカーや自転車レース観戦で、国内1泊旅行に行くことが増えた。たいして期待していないにもかかわらず、どこも居心地がよくて食べ物がおいしいことにはビックリである。特に宇都宮については「さびれた地方都市」くらいの認識しかなかったので(本当にすみません!)、うれしい驚きがあった。食べ物も安くておいしいし、気軽に観光に行ける場所もたくさんある。とりあえず輪行できることもわかったし、レース観戦目的でなくても遊びに行きたいものだ。

体力をセーブしていたはずだったが、帰宅した翌日は全身が筋肉痛だった。輪行の負担が重かったのか、森林公園の坂がキツかったのか原因はわからないが、めったに筋肉痛になることがなかっただけにちょっとビックリ。輪行はそれなりにくたびれるけれど、慣れてしまえば畳み方も早くなるだろうし、もっとラクに持ち歩けるようになるだろう。この経験をバネにして、そのうち長野新幹線で軽井沢あたりに行ってみたいものである。

というわけで、長々と続いた宇都宮旅行記もこれでおしまい。明日からはいつもの「近場のポタレポート」に戻りますね。

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2005/10/26

ジャパンカップ・輪行観戦便利帳

来年も見に行くための備忘録。

<輪行>
1泊だから荷物はたいしたことはないとはいえ、衣類などは前もってホテルに送ってしまうほうが絶対ラク。帰りも荷物は送ってしまおう。観戦に最大限のエネルギーを使うためにも、余計なことで疲れないようにするべし。

帰りの新幹線は指定席は満席だった。結局、混んでいる自由席に乗り込み、周囲に気兼ねしながら荷物を置いたが、宇都宮線でのんびり帰ったほうがよかったみたい。ロード輪行の友人は宇都宮線でラクラク座って帰ってきたそうだ。時間はかかっても疲れず帰れるほうが絶対にいい。


<宿泊>
今回の宿泊先は、今年6月にオープンしたばかりのロイネットホテル宇都宮。料金は禁煙ルームで9100円。1人あたり4550円だから激安である。これでパソコンもつなげるし、空の冷蔵庫もあるし、バストイレもきれいだし、館内の自販機の価格は一般価格と同じだしで、文句のいいようもない。チェックイン前&アウト後でも、気持ちよく荷物(自転車も)を預かってくれたのもありがたかった。宇都宮の常宿に決定である。


<装備>
昨年は暖かかったが、今年はけっこう冷えた。ちなみに今回の服装は、冬用のアンダーに長袖のジップアップシャツ、ベストにウィンドブレーカー。念のためレインウェアも持っていった。自転車で移動している時は暑いけど、じっと観戦しているとすぐ冷えてくる。手袋、ニット帽(耳が隠れるもの)もあったほうがいい。


<もちもの>
携帯用のリュック……会場でゲットした戦利品(笑)を入れて帰るため
マジック……サインをしてもらうためのもの
携帯ラジオ……あちこちで聞いている人がいるので、必ずしも必要ではない
*前日にイタヤホテルで案内図などをもらっておくと便利


<今年の買い物>
パンフレット:500円
パフパフホーン:500円
ランプレジャージ4000円&手袋2000円&女性用ジャージ3000円
*DVD2000円も買えばよかった……


<ルート>
宇都宮駅から約10キロ。スタート地点までは13キロ。
歩道はデコボコで砂も浮いていて、かえって危険。あきらめて車道を走りましょう。仲間がたくさん走っているから大丈夫!


<その他>
食べ物には困らないので、買っていく必要はない。
スタンド席を取りたい場合は、朝8時前に着かないとダメ。
出走サインは9時から。その後選手がブースにやってくることも。
最寄の日帰り温泉は、スーパー銭湯「極楽湯」。一応、天然温泉あり。宇都宮駅からの距離は3.8キロなので、自転車でもOKですな。

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2005/10/25

ジャパンカップ2005・その2

(ジャパンカップ観戦記の続きです)

ジャパンカップは宇都宮森林公園付近を約10.5周回する153キロのコース。周回するということは、選手たちを10回眺めることができるということだ。国際自転車レースに飢えている日本の観客にとっては、これ以上おトク感のあるレースはないだろう。普通なら、選手が通過するのを一度見たらそれっきりだもんね。

1周約14キロのコースなので、この後同じ場所を選手たちが通過するのは20数分後という計算になる。観客はその間に移動するなり、腹ごしらえをするなり、トイレに行くなり、買い物をするなりすればいいわけだ。そして私らは腹ごしらえ派(笑)。朝食はカロリーメイトだったので、しっかり食べておかないと夕方までもたない。スタート地点付近にはいろいろな出店が並んで、観客を待ち構えている。メニューはこんな感じだけど、どれも安くておいしい。昨年(あっという間に売り切れ)の経験を生かしてか、量もたっぷり用意されていた。かなり気温が低いので、ホットワインはありがたい(飲まなかったけど)。サッカーのスタジアムでも売ってほしいものだ。
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すべての売店をチェックしたわけではないが、食べどころはあちこちにある。赤川ダム堤防ではヤキソバや豚汁、釣堀ポイントでは鮎の塩焼きやおでん、山頂では地ビール……と、それぞれの店が個性を出しての勝負。値段も安くてうまくて大満足である。食べ物に関しては昨年よりもはるかに充実していたと思う。観客も順調に増えてきているので、地元の人たちもやりがいがあるに違いない。食べ歩きながらの観戦も楽しいものだ。なお、トイレもそれなりに完備されていた。メイン会場付近は激混みだったが、ちょっと移動してしまえばすいているポイントも多かったし。

昨年は行かなかったが、今年は古賀志林道頂上でも観戦してみた。もちろん自転車で登っていくのだが、これがけっこう大変。根性ナシの私は途中で押して歩いてしまったが、頑張れば私でも一度くらいは登れるかな?という感じの坂だった。ただし、ふもとの県道沿いから一気に登れと言われたらたぶんムリだけど。選手たちはこの坂を連続して11回登るのである。普通の人間とは思えない。
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山頂にもたくさんの観客がいた。一応このコースでは最大の難所なのだが、ピレネーやアルプスを越えてきた選手たちにとっては屁でもないといったところか。6週目か7週目なのにハンドルから手を離してポーズをとる選手もいれば、観客に余裕の笑顔を向ける選手もいる。やっぱり普通の人間じゃない。集団が去った後に憔悴しきった様子で登ってくる日本人選手のほうに、どちらかといえば感情移入してしまった。

そうそう、何週目だったかの山岳ポイントを越えるところで、やっとマンセボの姿をとらえることができた。首がちょっと傾いていて、それを見ただけで満足……。

坂を下りて、赤川ダムポイントでもう1周分観戦し、さらに下ってゴールシーンを見るべく場所を確保。会場に流れる実況音声によれば、首位はクネゴとマンセボで争っているという。8週目あたりまでは日本人の逃げ集団が頑張っていたというのに、いつのまにか来るべき人が来たという感じ。これが実力の差なのだろうか。

ゴールスプリントはクネゴが制した。ジャパンカップ4度目の参戦にして初優勝。来シーズンはやってくれるかも!?と期待を抱かせてくれるような勝利だった。ゴール直前はこんな感じ。
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自転車レースの表彰式といえば、両脇に美女が並んでキス……が定番だが、日本では事情が違う。宇都宮市長などのオヤジ連がカップや花束をプレゼントしてくれるのだ。そしてもうひとつ違うところは、副賞としてデジカメなどの小型電気製品がプレゼントされること。上位3位内に入った3人の外国人選手にとって、これが最大の喜びだったらしい。まだ表彰台に立っているのに早速パッケージを開けて、戦利品を見せ合っている。何とも微笑ましい光景だった。

宇都宮の森にイタリア国歌が流れ、イタリアとスペインの国旗が翻り、今年のジャパンカップも無事に終了した。インタビューでクネゴは早くも「来年も来ます」宣言。ぜひ来年も入賞して、電気製品をゲットしてね(笑)。
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主催者側の発表では観客数は5万9千人だったという。次第に大規模イベントになりつつあるジャパンカップ。宇都宮の町おこしにもつながってくれればいいと思う。私も気力と体力の続く限り、見に行きたいものだ。

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