クラブのDNA
高円宮杯 第19回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会 準決勝 FC東京U-15深川vs東京ヴェルディ1969ジュニアユースは、1-2で東京の逆転負け。
行きがけに銀行だの郵便局だのに寄っていたら予想外に時間がかかり、結局、後半戦しか見られなかった。会場に着いてスコアボードを見ると、予想外に(すみません)東京が1-0で勝っている(CKからの得点だったらしい)。これはもしかして!?と期待を抱きながら、後半戦を見守ることにした。
ところが、開始直後にあっさり崩されて失点。その後も、押し込まれる時間帯が続く。枠にはいかないまでも、ボールを支配し攻撃を続けるヴェルディ。東京のシュートチャンスはいくつあっただろう!?というくらい劣勢だったが、それでも数少ないチャンスに決めることができれば勝負はわからない。東京の選手たちは臆することなく戦っていて、好感がもてた。
ところが後半30分あたりに、CKからのヘディングで再び失点。それまでの試合の流れから考えると、正直いって「万事休す」といったところ。でも、その後にも決定的なチャンスがあったし、惜しい場面はあった。残念ながら力の差はあったと思うが、よく頑張ったと思う。
結局スタジアムには1時間しかいなかったので立ち去りがたくだらだらしていると、3位の表彰式が始まった。なるほど、準決勝で負けると3位として表彰されるのね。もちろん選手たちに笑顔はなく、泣いている子もいたけれど、彼らが下を向く必要はない。悔しいだろうけれど、3位という順位を誇りに思っていい。試合後のゴール裏(チームメイトの子たち)が、ユルネバと「眠らない街」を歌っていたのもよかった。負けてしまったけど、「眠らない街」がふさわしい試合だったから。
メンバーがどんどん入れ替わるユース年代のチームが、2年続けて準決勝までいったのはすばらしいことだと思う。来年に向けての目標も見えてくるだろう。「FC東京」というクラブのDNAがどんなものなのかは私にはまだ定義できないけれど、そういうものがあるとしたら彼らにも、そしてU-18の選手たちにもあるような気がする。
ユース年代であってもブラジル代表はブラジル代表だし、オランダ代表はオランダらしいプレーをする。年代を超えても受け継がれるDNAはもちろんクラブチームにも存在するし、東京のユース年代にもちゃんとそれがあると思うのだ。ただし、トップチームがよくわからない状態なのが困ったところだけれど(笑)。
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ゴールパフォーマンスというものがある。今までにさまざまなパフォーマンスを見てきたけれど、いちばん好きなのは、バク転でもなく、ガッツポーズでもなく、ゆりかごでもなく、ましてや左手薬指へのキスでもなく、ユニフォームのエンブレムへの口づけ。以前にランパードがそんなパフォーマンスをしたときには「なんてすばらしい選手なんだ! あたしゃ一生アンタとチェルシーについていくよ!」と感動したんだけど、いつのまにやらそのパフォーマンスは左手薬指へのキスに変わっていて、ガッカリしたこともあった(笑)。
ユニフォームの胸についたエンブレムというのはクラブの象徴で、それを通してチームとサポーターはつながっている。東京のエンブレムは客観的に見るとあまりカッコ良くないと思うのだが、それでもやっぱり愛着はある。時間の流れとともに、選手も監督もスタッフもフロントも移り変わっていくけれど、クラブそのものは存在し続ける。それは、細胞が入れ替わっていっても同じ人間であり続けるのと同じ。エンブレムはその象徴だと思うのだ。
でも、東京の選手がエンブレムにキスをしているのはあまり見たことがない。私の記憶では、フミさんくらいだろうか。アマラオもしていたかな? もっとこのパフォーマンスをしてくれる選手が増えてほしいと、個人的には思ってしまうのだ。でも、サポーターと違って選手には移籍がつきものだから、なかなかそういう気分になれないのかもしれないけど。
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昨年は自転車観戦したこの大会だけど、今年は軟弱なので電車を乗り継いでいった。そうでなくても1時間遅れで到着したのに、自転車で行っていたら試合が終わっていただろうし(笑)。前回はルート選定をちょっと失敗したので、今回は新河岸川沿いをだらだら走ろうかな~という計画だけは立てていたんだけど。ま、来年ですね。
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